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「意識の海にて」
「やあ、だいぶ回復したかな。
キミが疲労困憊で意識の海に帰還した時には大層驚いたものだけど。」
ああ、おかげさまで。
あの後は優秀な教え子が上手くやってくれたとのことだしね。
「そう、そこなんだよ。
流石にまだ早いだろうと思ってたんだけど、今回の結果を受けるとなると、確かに早すぎるというわけでもないのかもなあと。」
次の任務のこと?
いったい何を悩んでるのさ。
「いやね、Ih014に、Jの壁に挑戦してもらおうかなって。」
え、早くない?
もうちょっと経験を積んでからでも遅くないと思うんだけど。
「僕もそう思ったんだけどね。
でも、なんだか調子よさそうだし。
それにJとはいっても死の危険は薄そうな世界の任務を選んだつもりだから、まあ失敗してもそれはそれで仕方ないかなって。」
うーん、そうか。
まあ、断固反対!ってほどではないしなあ、僕も。
たしかにアイ、Ih014は、なかなか優秀だし。
「じゃあ、Ih014の次の任務では、Jの壁に挑戦してもらうってことでいいかな?」
うん、いいよ。了解した。
優秀な弟子の健闘を祈るとしようかな。