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Aa00005世界 ジェペェン 事の始まり

「ちょっ、ちょっと待ってくれ!

 その話、本当か!?」


「だから、さっきも言っただろ。

 アンタたちが探してるヤマトって男は三日前に死んだよ。」



 唖然とした。

 呆然とした。

 ヤマト。それはオレと師匠、エージェントIh030とAa015がターゲットとした転生者の名前だった。



「元々やべえヤツだったよ。

 オレはハーレムを作る、だとか堂々と公言してたしな。」


「ち、ちなみに死因は?」


「痴情のもつれ。

 女に刺されておしまいさ。」



 もう十分だろ?

 そう言って情報をくれた町人は立ち去っていた。



「よおーっす、おかえりさっちゃん。

 なんか情報あったか?」



 宿屋、ではなく町のはずれの一軒家に帰ってきたオレ。

 この世界は衣食住が最低限保証されるとかで、技術の発展具合のわりに人口が低いことも相まって家が驚くほどに安い。

 この世界に到着して一週間。早々に購入した我らが一軒家で、師匠はくつろいで待っていた。

 具体的には、床にぐでぇと倒れこんだ状態で。



「師匠、アンタ腹痛いから一人で情報収集頼むっつってたよな?」


「おう。今でも腹が痛くて何も手につかなくてなあ。」


「……昼寝してたろ。頬に床の跡がついてんぞ。」


「あ、バレたか。」



 悪びれもせずケラケラと笑うオレの不良師匠。

 普段は噛みつくところだが、今はそれよりも報告だ。



「そんなことより師匠!転生者、昨日死んだってよ!?」


「え、マジで?なんで?」


「ち、痴情のもつれ。」



 それを聞いた師匠はこちらを向いたまま、床に寝転がったままの体制で表情が固まる。



「マジで?」


「いやだからマジで。」


「ホントに?」


「だから!ホントに!!」


「……よ……」


「よ?」



 師匠の言葉を待つオレ。

 がばりと立ち上がる師匠。








「よっしゃああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!

 長期休暇だあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」


「は、はあ!?」



 かくしてオレたちの長期休暇は始まった。





 エージェントIh030

 エージェントAa015

 残り滞在猶予期間【30日】。


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