「意識の海にて」
「やあ、次の任務が決まったよ。
聞いて驚くな、という方が無理かもしれないけれど、次の世界番号はZa00001。
いよいよZ世界だ。」
「……なんか、意外と驚いていないね。」
「ああ、まあ、うん、そうなんだよ。
存命のX以上の世界の攻略者って、今やキミを含めても数人しかいないわけだからさ。
正直なところ、最後の望みとしてキミに託されたようなものなんだ。」
「なに、死んでもいいと思ってるだって?
馬鹿なことを言うんじゃないよ。必ず、生きて戻ってきてくれ。
今やキミは委員会に欠かせない存在と言ってもいい、トップエージェントなのだから。」
「うん、うん。
わかってくれたようだね、ありがとう。」
「ただ、残念ながら今回、Za00001世界について分かっている情報は皆無なんだ。
非常に苦しい任務になるであろうことは分かりきっている。」
「ただ、それでもあらためて言わせてもらうよ。
必ず、生きて戻ってきてくれ。」
「ああ、そうだね。
きっと今は亡きキミの師も、キミの活躍を願っているはずさ。」
「これは誰にでもいうわけでは決してないんだけれど。
そして前にも同じようなことを言ったような気もするけれど、キミなら大丈夫だと信じているよ。
……だってキミの先生は、あのエージェントAa004なんだろう?」
「ああ、いい返事だ。
それじゃあ行ってらっしゃい。
エージェントIh014。」