「意識の海にて」
「やあ。
どうもちょっと疲れてるんじゃないかとIh014が心配してたけど、ご機嫌はいかがかな?」
はは。研修生に心配されるとは、僕もホントにまだまだだなあ。
でも、今はもう落ち着いてるよ。
茶化してくれて、どうもありがとう。
次は思いっきり戦闘でもできるような世界だと、さらに気晴らしになるんだけど。
「じゃあ、そんなキミに朗報。
次に行ってもらう世界はEn37033世界。
具体的には、人類の生き残りが敵性侵略体とやらとドンパチ繰り広げてる世界だよ。」
ほほう。
ロボットでも操縦するのかな。
それとも超能力的なもので戦う?
まさか生身で戦うわけじゃないよね?
「ふふふ……。
エージェントAa004!
キミには当該世界において、対敵性侵略体兵器【星屑】を用いて任務にあたってもらう!!」
え、なにそれかっこいい。
……かっこいいけど、実態がまったく伝わって来ないぞ。
結局なんなんだ、対敵性侵略体兵器星屑って。
「簡単に言えば、パワードスーツみたいなものらしい。
ただし適正率がものすごく悪くて、実際に星屑を運用できるのは本当に限られた人数だけらしいけど。」
それ、いざその世界に行ってみたら、僕は適正に合いませんでしたなんてオチはないよね?
「正直なところ、わからないとしか言いようがないね。
一応、どうもキミとIh014の器が星屑の適応確立が高そうだってことでこの任務をあててるんだけど。
なんにせよ、細かい事情や他の情報はまた肉体に添えておくつもりだよ。
けど、今回はもう一つ留意事項がある。」
あ。
もしかして、久しぶりに?
「うん、たぶん予想している通りのことだと思う。」
「今回の任務、転移案件だから。」