第一章 ダイジェスト
第一話 女と男
魔物ハンターを生業とする、女と男のコンビ。
森の中で二人は流星竜と遭遇する。
ディープな魔物オタクである女は、好奇心が手伝って流星竜に近づこうとする。
対する男の方は臆病で、拒絶の姿勢を崩さない。
第二話 魔物とハンター
男の説得に折れて、二人で引き返そうとした時である。
女が突然クロスボウを発射する。
果たして、女が仕留めた獲物は魔猿であった。
魔猿の手には流星竜の卵が握られていた。
リントブルムに卵を返すことに成功し、ハンターが集う町へと帰還した二人。
男の名をジーンと言い、女の名をサラと呼んだ。
仕事を終えた二人が向かったのは、ハンターに依頼を斡旋する、女主人マリーの斡旋所であった。
第三話 斡旋所と女主人
斡旋所で酒を飲むサラとジーン。
別のハンター三人組がジーンを冷やかした。
何故か対人用の剣を手放さないジーンに、三人組は呆れかえっている。
ハンターの定石では、射撃武器や長柄武器が主体であって、剣はあまり使われない。
マリーが三人組を諌めて、夜はとっぷりと更けていった。
第四話 サラとジーン
ジーンが去った斡旋所では、サラとマリーの飲み比べが続いていた。
ウワバミのサラは、あっさりとマリーを打ち負かす。
一連の会話の中で、サラの素性が領主の娘であることが明かされる。
素人のジーンととレツを組んでいることに疑問を呈するマリー。
だがしかし、サラは意味ありげにほくそえむだけであった。
領主の娘であるサラは、将来を嘱望された魔物学者である。
不祥事を起こした挙句、お家騒動にも巻き込まれて、ハンターに身をやつしているのであった。
第五話 代官と依頼
そして翌朝、再び斡旋所に依頼を見に来たサラとジーン。
そこで二人が出会ったのは、町を治める代官であった。
サラのお目付け役の代官は、盗賊退治の依頼を持ちかけてくる。
渋るサラであったが、代官の依頼する場所は未踏領域であった。
未踏領域とは、まだ人が踏み入っていない未知の世界である。
好奇心には抗えず、サラは依頼を受けてしまう。
第六話 魔物と盗賊
新たにマリーを加えて、三人は未踏領域を突き進む。
そんな矢先、三人が出会った魔物は、魔鶏であった。
サラに焚き付けられて、魔鶏と対峙するジーン。
だがしかし、魔鶏の威嚇に慄いて、ジーンは脱兎のごとく逃げていく。
呆れ返るサラとマリーであったが、偶然盗賊の根城を発見してしまうのであった。
第七話 捕縛と陰謀
盗賊に仕掛けたサラとマリは、逆に捕まってしまう。
根城へ連れて来られた二人の前に、一人の老騎士が現れる。
老騎士はサラの実家の私兵であった。
いよいよをもって、サラへの粛清が始まったのである。
盗賊の魔の手が伸びようとした時である。
タイミング良く、ジーンが助けに戻って来た。
第八話 面目と躍如
ジーンは鬼神のような強さで盗賊を片づけていく。
それもそのはず、ジーンは魔物恐怖症ではあるものの、王都で鳴らした無敵の戦士であった。
サラと同じく、ジーンも不祥事を起こして逃げてきたのである。
老騎士を含めて、盗賊を皆殺しにしたジーン。
そうして三人が一息ついていた時である。
外から新手がやって来た。
新手は軍隊で、今度はジーンの追手であった。
第九話 危機と恩返し
善戦を繰り広げるも、今度こそ窮地に陥る三人。
そんな三人の前に、救いの船がやって来る。
救い主の正体は、サラたちが出くわした流星竜であった。
流星竜の登場に興奮するサラと、顔面蒼白のジーンである。
軍隊を蹴散らした流星竜は、竜鱗を置き土産にして、その場を去っていった。
第十話 オタク女とヘタレ男
一連の事件を受けて、サラとジーンの運気は一気に上昇した。
ジーンを背後にして、サラは実家での権威を回復した。
そして肝心のジーンである。
来歴が明らかになったことと、流星竜を追い払ったと勘違いされた挙句、ジーンは町の英雄になっていた。
そんな二人が新たな猟に出たところで、物語は幕を下ろす。




