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居候狐  作者: 雪原 奈古
11/11

第九話 酒とクスリは程々に



お久しぶりです。

国家試験のため、更新を遅らせてしまい、大変申し訳ないです


今後も不定期になると思いますが暖かく見守ってください!!



ああ、この後の期末戦線が....(泣)

「これ、燈輔さんから頼まれた品と

清から嫌みたっぷりの南の島の砂です」


陣はドリンク剤くらいの小さな小瓶と土嚢(砂の詰まった、麻で編まれた袋)を


未南雲(ミナグモ)教授と書かれたデスクに投げおろした。


「御苦労!と言いたいところだが、

(クロガネ)妹は何を考えているんだか....」


見た目四十路、もう少し若者らしい服装をすれば三十路ぐらいにみえるだろう

そのよれよれの白衣に無精髭じゃあ、どこかのやぶ医者に間違えられそうだ


「あなたがいつも、セクハラまがいなことをするからですよ。

この前だって、女子大生に手をだそうとして減給されたばかりでしょ!」


「ふ、他に何のために大学に来なきゃならないんだ?」


未南雲教授はデスクに足を投げ出した。


「人生は一度しかないんだぞ?

この大学は選りすぐりの美人ばかりだからな!

陣も駆け落ちまがいな付き合いも必要だと思うぞ」


「何の冗談でしょうか?未南雲教授。

駆け落ちまがいな付き合いって、いきなりヘビーなところからハイったら、

デルときには老けちゃいますよ…(精神的に...)


そんなことしているから、人生を棒に振るんですよ…」


この男がかの[茶道サークル]の指導者とは信じられないと

誰もが想像さえしないだろう。


清や未琴が誇る美形プラス陣…の才色兼備で知られていた。


燈輔さんと陣はオプションだが、それでも人気はある

ただ……、1サークルとして希望者の数に比べて、入会者が増えない原因ともいえるのが未南雲教授だ


未南雲教授は燈輔と旧知の関係を利用して妹の清に手を出して、

理事会とスポンサーのダブルクラッチに遭い、清に東京湾に沈められかけた。



「ところでだ……陣!

人生においての通過儀礼というヤツを経験して貰おう!」


そういうと陣が持ってきた小瓶からグラスにほんの少しだけ注いだ。


「鐵家秘伝の媚薬を分けてやろう!

気にするな、日頃の感謝だ」


陣は顔をしかめた。


「確かに、前に物品で感謝を表現してほしいとは言いましたけど.....

怪し過ぎません?」


「あの燈輔が秘蔵だが、秘薬のアレって言ってたから間違いはないはずだ!」


グラスを傾けて、中のドロリとした液体(紫色)を見た陣は....


「未南雲教授も怖いんじゃないんですか?

明らかに非合法ドラッグの方が安全でしょ!」


「ふ....そこでだ。

お前の落とした単位を一つ、献上してやっても構わない…」


怖いことは否定しないんだ


「それは違反に当たるんじゃないんですかっ!

バレたら、二人とも大学から追放されますよ。」


「何言ってんだ。

一応、教授の研究に協力した事実は変わりない。

バレても、俺たちのバックには鐵家がついてんだ!

もみ消してもらうさ(笑)」


ここまで来たら引き返せないと、陣はグラスに注がれた液体をグイッと飲み干した。


「不味い......おぇ」


「よっ、大将!良い飲みっぷりだ!!

どうだ?

何か変わったトコロはあるか?」


未南雲教授はレポート用紙を片手に、陣の人体実験を観ている。


「特には……変化ありませんね。

燈輔さんに騙されたんじゃないんですか?」


「そんなはずはない。

燈輔の追試を免除してやったんだからな」


未南雲教授、あなたは生徒を何だと思っているんですか?


「これ、何の薬なんですか?

聞くの忘れていましたけど.....」


「聞いて、驚くな!

全人類の夢、“媚薬”つまり、惚れ薬だ。

ふふ、俺のカリスマ性に磨きをかけるにはこれしかないと思ってな。

燈輔の野郎に取引を持ちかけといたんだ」


陣は開いた口が閉じなかった。

もちろん、媚薬の存在にではなく、未南雲教授の阿呆な思考回路にだ。


「未南雲教授、あなたはロクな死に方しませんね……」


「安心しろ、もうあきらめてる。

おっ!効果が出始めたらしいぞ!?」





****大学のカフェテラス****



「だよね〜!ジン君の鈍さには、もう耐えられないところまできてるよね。」


「あれは、あれでジンさんの良いところなんですよ。

第一、どこかの変態教授みたいにナンパとかしてきたら逆に気持ち悪いですよ」


と、清は顔を曇らせる。


「去年のこと、まだ引きずってるの?」


「あれを引きずれずにいられますか。

東京湾の後一歩のところまで追いつめたというのに、兄さんが止めるから.....」


清は両手を白くなるまで、握りしめている


「いきなり、抱きついてくる変態が悪いんですよ。

アレが兄さんと知り合いなんて、自分の兄の交友関係を疑いましたわ。」


「まあ、わたしも少なからず、手を出されそうになったんだけど…

未南雲教授の大腿骨にひび入れてやったらおさまったんだよね!」


未琴はカプチーノをぐぐっと飲み干すと、清と一緒に未南雲教授の悪態をついた。



『ガチャン』



フードを目深に被った男がいきなり、清と未琴の座るテーブルへとタックルをかました。


「「へ、変態っ!?」」


ずごーっと、男から距離をとる二人。


「ま、待ってくれ…話を聞いて....」


「え?陣さんですか?

そのような格好で何をなさっているんですか!?」


清が恐る恐る尋ねてみると.....


「あの教授に‥飲まされた...クスリが…どうやら、悪い方向に転じちゃって...」


「あ!、わたし、知ってる!

実験で透明人間になっちゃうやつでしょ!!」


未琴が自慢げに答える。


「未琴....それって、この前あった映画の話でしょ....。

第一、透明人間になってないから」


「じゃあ、陣さんは何か変化されたんでしょうか.....」


「そうだよ!勿体ぶらずに見せちゃえばいいじゃない」


未琴が陣のフードを引っ剥がそうにすると....


「おい!止めてくれ。

ほら、清も一緒にやらない!


あっ.....」


ゆっくりとフードが下げられていく...



未琴が陣の頭を見る


清や他の生徒も見る....



『ぶっ!!』



清が倒れた。



『『『『ぶばっ!!』』』』



他の生徒も同じように鼻血を吹き出し倒れた。

何人かは、倒れずにその場でこらえている。



「流石ジン君....いきなり、わたしのドツボをついてくるなんて....

狐耳なんて反則だわ…」


そう言う未琴も同じように、鼻血を滴らせている。


「そ、そうですよ。

狐耳は、反則技の範疇を超えてますよ...」


清がゆっくりと体を起こすと、他の生徒も動き出した。


「ジン君がいけないんだからね…

ジン君が卑怯な耳なんてつけるから…」



「え?」


突然、背中に何かがへばりついた。


そして、次々と増えていく…


「え?え?

未琴たんは急なおねむかな〜?

それとも、腕がいっぱい生えてきちゃったかな…」


陣はあくまでも赤子を扱うようにゆっくりと、ゆっくりと離れようとする。


「残念ながら、逃がさないよ〜ジンくーん!!」


「ゴメンね、神代さん」


「私たちのせいじゃないの」


どうやら、引っ付いてきたのは未琴だけではないらしい。

さっきまで、雑誌に夢中だったはずの先輩やそこに通りかかっただけの同級生の手のひらが、陣の背中に伸びている。


「ちょっといいかもと思ったけど…

これって、ただのホラー映画じゃん!!」


必死にもがき苦しむ陣だが、一向に減ろうとせず、むしろ増えたかもしれない。


特に、むき出しになってる狐耳はあっちにこっちに引っ張られて尋常じゃないほど痛い。


「お、がんばってんじゃねぇーか!

どうだ?人生で一番楽しい一時は?」


未南雲教授は二階のオープンスペースでノーパソをカチカチと叩いている。

頭上から余裕の表情を浮かべ、ニヤニヤしているのが何とも憎らしい。


「未南雲教授!はやく助けてください。

解毒剤とか何とかあるんでしょ!」


「解毒剤って、毒じゃねぇんだからそんなのねぇけど。

一時間以内に、アルコールを摂取すればその狐耳は消えるらしい。」


すると、未南雲教授は缶ビールを放った。


「ま、ダメだったら、うちの研究室に置いてやるからな…」


「研究室って...あなたの実験動物(奴隷)になんてなるきありませんから!

あっ!缶ビールが....」


右手を精一杯に伸ばしたつもりだったが、知らない女子生徒に弾かれ、近くの排水溝に落ちてしまった。


「ちっくしょーっ!!」


無念にも缶には小指ほどの傷が出来ていて、中のほとんどが流れ出ていた。


「悪いが、それ以外に酒は持ちあわせていないぞ。

悲しいぜ....

俺の責任で、陣の人生を狂わしちまったんだからな。


安心しろ、お前の亡骸は研究室に飾っといてやるから」


未南雲教授、両手で目を濡ぐるのはいいけど、その引きつったように笑う口角は隠せてないですよ。



「未南雲、あんたもちょいと、理事室でホルマリン漬けになってもらうよ!!」


未南雲教授の後頭部に衝撃がハシった。


「テメェは天宮怜華っ!!

いったい、何のつもりだ!」


そこに立っていたのは酒瓶を逆手に持った天宮怜華と、ここの学生位に見えるほど若い、メガネの女性。


「怜華さん!!」


「おまたせ〜、ジン。

ひとまず、これでも飲んどきな。」


怜華の右腕から、シュート回転のかかった小瓶が投げつけられた。


「あ、ありがとうございます!!」


陣はすぐさま、キャップをねじ切り、中身を飲み干した。

喉を焼き切る程のアルコールにむせながまらも、頭に手を伸ばした。


「消えてる!狐耳が消えた!!」



「「「「「「チッ…」」」」」」


清も含めた周りからは、女子とも思えないほどの舌打ちが聞こえた。


皆さん、少しは隠しましょうね....




「せっかくの研究材料が....」


未南雲教授は膝をついてまでうなだれている。


「さっ!お前はこっちに来るんだ!」


怜華は未南雲教授の襟首を掴むとそのまま引きずろうする。


「離せ、天宮怜華!

お前には関係無いはずだ。」


すると、怜華の後ろに控えていた眼鏡の女性が....


「未南雲仙一。貴方を霊薬不法所持及び、大学内における騒ぎの原因分子として、拘束します。

貴方には黙秘権と弁護権は存在しないので御了承して下さい。」



「あン?黙れ根暗女!!」



『ブチっ』



眼鏡の女性は未南雲教の背後まで回り込むと....


『ガキャン…バリバリ』



手にしている一升瓶を振り下ろすというより、

鉄球をスナップをきかせて叩きつけたといったほうがしっくりくるだろう。

一升瓶と人間の頭蓋骨ではどちらが硬いのかはしらないが、砕けたガラスまみれの未南雲教授は動かなくなった。


「癒伊<ユイ>.....さすがのアタシでもそこまでできないわ....」


「そうですか、深酔いした先輩に比べれば被害を最小限に御しましたが?」


怜華は首をうなだれて、


「いや、もういい…なんでもないわ...」


怜華は未南雲の亡骸をずるずると引きずっていった




「なんだかな…

結局、損すんのってボクなんだな

うぐぁ!」


突然、陣は体をくの字に曲げてひざをつく。


「どうしたのジン君!」


「どうかいたしましたか!陣さん」


慌てて、近寄ろうとする清と未琴だったが


「来るなっ!」


陣の一声でビクリと体を縮こまる。


「いいか、できる限りボクから離れてくれ」


じわりじわりと歩を後退する清の足元に何かが転がっている。

よく見れば、陣が一気飲み酒の小瓶だ。


「マムシ酒?

効能:憔悴しきった肉体に活力と元気を与えます。

持続性に優れており、夜の生活にもバッチリ!

明るい未来設計を!


よ、夜の生活…」


清が顔を真っ赤にしてオロオロしていると、未琴が小瓶を奪って


「はっはーん!

前屈みでもじもじしていると思ったら、ジン君も男の子なんだね♪」未琴のニヤリと笑うと清に何か耳打ちした。

すると、清はたちまち目をそらした。



屈辱だ......


明らかに作為的だ



「うぅ…こんな落ちかよーーー」





陣の悲痛な叫びは理事室の怜華の耳にまで届いたという。


まとまらずにスミマセン。


このままだと、違う結末が!って感じだったんでキリマシタ。


次回はうまくいくように頑張ります!!



以上、三者面談で、小説家になりたいと言おうか迷った雪原でした。



どぅしょ.....進学

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