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100万PVアクセス感謝小説 第一弾

いつの間にやら100万PVアクセスを記録していまして。

もう直ぐクリスマスということもあり感謝の小説更新です。

もしこの人が攻略されていたら……?

第一弾はこの人!

甘く甘くを意識しましたが……。

~BGMは恋人たちのクリスマス~




今日はクリスマス……ではなく、23日で何の記念日でもない。今あたしは学園の最寄駅から3駅ほど離れた公園に来ている。ここはイルミネーションが有名で、この季節には愛を育む恋人たちで溢れかえっていた。

来る途中のコンビニでペットボトルのホットミルクティを購入し、手袋を嵌めた手で包み暖を取っている。

待ち合わせの時刻は18時。現在の時刻は19時……。


「遅れるかもとは言っていたけど……。連絡くらいしてくれてもよくない?」


携帯で時間を確認し、ついでに連絡の有無も確認する。待ち人が来ないことに対してあたしは一人愚痴った。

そりゃ愚痴りたくもなるってーの。

周りは堅く手を握り合い、一緒にイルミネーションを見る恋人たちで一杯なのだ。そこに一人でポツンと佇んでいたら悲しくなるじゃない?

学校は祝日で休み。クリスマスはお父さんの会社のパーティに出席しなくてはいけないからと、今日会う約束をした。しかもこう言ったイベントに全く興味の無い一条先輩からだ。

忙しい人だから休日も寮に居ないことが多い。付き合い始めてからもそれまでと変わりなく過ごしていたので「本当に付き合ってるの?」と何度も不安になった。そんな時に先輩からのお誘い……。


「楽しみにしてたんだけどなぁ……」


時計はどんどん時を刻む。暖を取っていたペットボトルも初めの熱は無くなり、温くなっていた。

春にアクシデントで短くなってしまった髪も伸び、今日の為にと自分なりに気合を入れておしゃれしたつもりだ。

それってやっぱり好きな人に少しでも綺麗に見て欲しいって恋する乙女心。

ま、あの朴念仁に伝わるかどうかは謎だが。


「う~~。寒いぃ!全く!あの形状記憶合金は何やってんのさ!!」

「誰が形状記憶合金だ」


風が吹き、寒さに震えたあたしはついつい八つ当たり。その独り言にまさか答えが返って来るとは思わず、「ひぃ!?」と小さく悲鳴を上げてしまった。

予想外の反応をされ、先輩は来たそうそう不機嫌突入。でもあたしだって負けないくらい不機嫌オーラを出しまくる。絶対隠してなんかやらないんだから!


「遅くなって悪かった。連絡も出来なかったことは謝る」

「……」


ゆっくり先輩は近付いてくるが、あたしは無視を決め込んで前だけを見続けた。

コツコツと足音が大きくなってくる。音が止まった。すると、ふわっと背中から包み込まれ風が止まった。


「久しぶりに二人きりになれたんだ。機嫌を直して顔を見せてくれないか?」


う~!反則だ!!

包み込まれたと思ったら耳元で甘く囁く声。

思わずじ~んと目が熱くなる。

ダメ、泣くな!


「菜子?」

「っ……!」


本当に反則だ。いつもは名前でなんか呼ばないのに。初めてが今なんて。


「……ずるい。何で今なんですか?何で今、名前で呼ぶんですか?」

「何故って……。それはお前が俺の恋人だからだろ?」


「それに」と先輩は続けて言った。


「少し早いが、日本ではクリスマスは恋人たちの日だと海が言っていたからな」


恋人たちの日、ねぇ。

思い出される先輩と四ツ谷先輩の会話。



『もう直ぐクリスマスだな。クリスマスと言えば“恋人たちの日”だろ?高天はどうするんだ?』

『何故?本来クリスマスとは、』

『あ~!はいはい!クリスマスはキリストの生誕祭でー、だろ。聞き飽きたぜ。……菜子、お前も大変だな』

『ほっといてください!』



“恋人たちの日”が理解出来なかった先輩は、興味無さ気に本来のクリスマスについて語った。四ツ谷先輩に同情されたのは記憶に新しい。

そんな人があたしの事を“恋人”と認めてくれている。

――あたしの負けだな。

先輩の腕の中でゆっくり振り向いて向き合うと、滅多に見ることが出来ない極上の微笑みが目の前に広がっていた。

うん、こんな顔が見られるならあたしの負けで良いよ。


「やっと顔が見られた。……待たせて本当に悪かった。実はプレゼントを選んでいたらいつの間にか時間がな……。菜子には何が似合うか、渡した時、どんな反応をするのか考えていたら遅くなってしまった」


驚いた。買い物なんて誰かに任せてしまう人が、あたしの為にそんなに考えて選んでくれたなんて。

コートのポケットから小さな包みを取り出す。中にはシンプルだけど、ピンクの小さな石が嵌め込まれた可愛い指輪が入っていた。それを右手の薬指に嵌めてくれる。

イルミネーションの光を浴びてキラキラと輝く。


「虫除けにはこれが一番らしい。……左手・・は、また今度な」

「ありがとうございます……。あたし、今日はプレゼント用意してない。ごめんなさい……」


先輩へのプレゼントはクリスマスケーキ。これは先輩たっての希望だった。だから今日はなにも無い。

落ち込むあたしに先輩は両手で頬を包み込んで目を見つめてくる。


「名前で呼んで欲しい。今日はそれで充分だ」

「た、たかま……さん?」

「ん、合格」


名前を呼ぶと甘く、優しく微笑む。

その時、同じようにイルミネーションを見に来ていた人の携帯から音楽が流れて来た。これは、


「恋人たちのクリスマス、ですね」

「ああ。……菜子、メリークリスマス」


お互いの顔が自然に近付き、高天さんは冷たくなった唇を温めるかのように何度も優しいキスをしてくれた。優しさと力強さを持った腕の中で何度も。





帰りの道中、あたしの右手はしっかり高天さんと繋がれている。反芻するのは初めてプレゼントされた指輪の事。


「ん?そう言えば、左手、ってどういう意味です?」

「今気付いたのか?そのままの意味だ。左手に指輪を嵌める時は、菜子は一生全部俺の物ってことだ」


最後の最後で爆弾投下。

あたしの恋人は意外と強引かもしれない。


読んでいただきありがとうございました。

感謝の気持ちを込めての小説でしたが……。いかがでしたでしょうか?

……すみません、甘く書くのが爆破するほど下手なんですヽ(;▽;)ノ


何かリクエストあればできる限りお応えさせていただきます(・∀・)

下手でも良いなら……ですが。


これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

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