表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/102

3 まさに新しい人生です。

更新できるときは連続でします。

「ほ~ら。こっちにおいで」


手を叩いて歩き始めたあたしを応援するように、しゃがみこんだお母さんが微笑みながら呼んでいる。


ちょっと待って下さい。いささか歩きにくくて、なかなか前に進めないのです。


「すごいねぇ。頑張れ~!」


一歩一歩、慎重に前に進む。油断すると頭が重いから踏み込んだ瞬間に前に、足を上げた瞬間に後ろに倒れそうになる。

少し進むたびにお母さんは心の底から嬉しそうに笑うのです。


「はい、着いた」


ようやくお母さんの元にたどり着きました。


ふぅ~。疲れた。


「なっちゃんは偉いねぇ」


頭を撫でられ、ぎゅっと抱きしめられた。

頬を合わせられると気持ち良くてキャッキャ、と思わず笑い声が出てしまいます。

ふんわり香る甘い匂い。

お母さんは相変わらず良い匂いがします。





今のあたしの名前は桜川さくらがわ菜子なこ。生後1年ちょっとです。

ようやく歩けるようになり、

「ま~ま」「ぱ~ぱ」などの簡単な言葉は喋れるようにもなりました。


しかし体は幼児でも、前世の記憶を持っているあたしの脳は25歳なのです。

だからなのか喋りたいのに舌が回らず、言葉を話せない現状にイライラがつのり、よく癇癪を起こしてしまう少し気難しい子供になってしまいたました。

反省ですね。


あたしは乙女ゲームをやるのは好きでも、体験するのは真っ平ごめんです。

だって耳元で囁かれたり、歯が浮くような甘い台詞を言われるなんて、考えただけで鳥肌が止まりません。

イケメンとは遠くからひっそり盗み見て、日々のおかずにする対象であるべきです。

それが恋人に?ハッ!笑っちゃうわね。


…おっと、いけません。素が出てしまいました。


ここが本当にゲームの世界だとしたら、残念なことに記憶が曖昧なのです。

まぁ、しかたありません。前世の記憶があると言っても、ゲームの内容なんて逐一覚えていられないのですから。

だから決めたことがあります。それは『前世とは違った生き方をしよう』です。


転生前のあたしは勉強嫌いでした。

しかし学力は恋愛フラグを折るためには欠かせないのです。

なぜならこのまま何もしなければ確実にあそこに行くことになります。

あそことはこのゲーム世界の舞台“私立黒白学園”。

そこに行けば四面楚歌。逃げ道は絶たれたも同然。


3歳になったら早速お母さんに英会話教室に行きたいとお願いしなくては。小学生になったら塾に通うのです。

そしてお淑やかに過ごして、前世とは違った人生を送ってやりますよ!


アハハ!見てろよ、神!


おっと、また素が出てしまいました。

生まれ変わっても性格はなかなか直らないようですね。

気を付けなくては。

まあ良い。まさに人生これからですよ。

せっかくもらった第二の人生、楽しませて頂きます。



まだ子供のままです。

あと1・2話で本編に入る予定です。


読んでいただきありがとうございますm(__)m

楽しんでますか(^-^;

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ