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12 突然のお願い。

駅名も適当です。


上手く書けませんでした(._.)

入学してから三週間が経ち、ようやく生活のリズムが整ってきました。

休日の今日、午前中部活の椿とショッピングのため、午後から出かけることになっています。平日より遅い朝食を取りに食堂に行くと、利用している生徒は普段よりも少なく、室内は静かでした。昼近くまで寝る生徒が多いので休日は利用者が減ります。

いつも通りの和食定食を食べつつ、今日買うものを頭の中で整理しました。スムーズに買い物するためには何から買うかを決めておくのは結構重要です。

あたしは必要な物を買ったら一息ついて直ぐ帰るタイプの人間でしたが、椿も同じタイプみたいです。つまり女の子らしくウィンドウショッピングが出来ません。

洋服選びには時間をかけるかもしれませんが、それは頭の中で手持ちの服と合わせて使えるかどうかを考えているからです。

服の失敗はお財布に痛いですからね。ここは慎重になるのが普通かと…。


室内やお店ではそろそろ冷房を入れる時期です、薄手のカーディガンが欲しいかも。そう考えていた時「おい」と声をかけられたような気がしました。

まぁ、あたしとは限らないか。気にせず食事を続けると、今度は明らかにあたしに対して声をかけていることが分かりました。


「無視しているのか、それとも気付いていないのか……、お前は分かりづらい」

「すみません、会長。気付きませんでした。何か御用ですか?」


前の椅子に座っていたのは初めて見る私服姿の会長でした。シャツにジーンズでラフにまとめているにも拘らず、着ている人間が良いせいか目を引きます。

手元にはやはりコーヒー一杯。朝食は取らない人なのでしょうか。


「お前この間なぜ海と一緒だったんだ?」

「あの時説明したように四ツ谷先輩に脅されたんですよ。会長なら四ツ谷先輩の性格ご存じでしょう?普段の笑顔の裏がアレって言うのは詐欺ですよね。すっかり騙されました」

「海のあれは……。まぁいい。それよりお前……その……」


そう言ったきり黙りこくってしまいました。

この人は普段自信満々で俺様気質のくせに何で時たまこうなるのでしょう。

またあたしから口を開かなければいけないようですね。

あたしはお茶を飲んで流し込むと、仕方なく話しかけました。


「会長、言いたいことがあればハッキリ仰ってください。でないとあたしは食べ終わったら部屋に戻りますよ」

「ああ。…………出かけるのか?」

「ええ、午後からですが」

「……俺も行く」

「………はい?」


聞き間違いでしょうか。「俺も行く」と聞こえたような気がします。

会長を見ると横を向いていました。良く見れば耳が少し赤くなっています。と言うことは聞き間違いや空耳ではないようです。きっと、とっさに言った言葉に自分で恥ずかしがっているのでしょう。何となくですが言いたかった事とは違うような気がしますから。 でなければこんな突拍子もないこと言いません。


後悔するなら言わなきゃいいのに……。


「絶対ダメです。女の子同士のデートに男性は邪魔です」

「邪魔、だと?」

「そうです。それに会長と出かけて会長のファンに虐められたらどうしてくれるんですか?あたしは平和に過ごしたいんです」

「……」


責任の取れない行動は自粛するべきだと思います。なにしろ会長は生徒の代表なのですから。

会長が考え込んでいる間に食事を終えてしまいました。一体何をこんなに考えているのでしょう。

空になった食器を返却口に返すため立ち上がると、何故か会長も着いて来ました。手にはすっかり冷たくなったであろうコーヒーがあります。それを一気に立ち飲みで飲みきると「分かった」と言いました。

何が分かったのかあたしは分かりませんが。


「お前が俺のせいで生活に支障が出たら責任を取ろう。そして邪魔かどうかはその出かける相手に決めてもらう」

「あの…、言ってることめちゃくちゃなの、分かってますか?」

「なにがだ?許可を取れば問題ないだろう?」

「……」


そうなんだけど言いたいことは違くて……。

会長は意味が分かっていないみたいだ。

仕事に関しては裏の裏まで読めるだろうに、プライベートに関しては全くダメっぽい。

生徒会メンバーと関わるとなんでこう、…疲れるかなぁ?


「はぁ…、分かりました。まだ部屋に居ると思うので呼んでみます」そう言ってポケットから携帯を取り出し、椿に電話をする。電話口で椿は「なんでわざわざ電話?」と不思議がっていたが、直ぐに来てくれた。

部活に行く準備をしていたのでジャージ姿だ。あたしと会長が向かい合って淹れ直したコーヒーを飲んでいるのを見て「え??なに?」と混乱していて少し面白かった。

会長が買い物に着いて行きたいと言っている。そう教えると、


「え?別に良いですけど。面白い事なんて一つもないですよ」

「かまわない。おい、同行者が良いと言ったんだ。俺も行くぞ」

「……椿、なんで許可しちゃうの?」

「そりゃ、面白そうだから」

「……へ~…」


椿に対して初めてイラッとした。

サッパリした性格も考え物だと思った瞬間です。



椿が部活に行くと言うのでついでと言うことで玄関までお見送り。そしてなぜか会長も……。

なんだろう…、野良猫に懐かれるとこんな感じなのかな。

いつの間にか傍に居る。的な?


「では会長。午後2時に白木戸駅の西口でお願いします。来なくても待ちませんのでそのつもりで」

「分かった……。だが同じ寮なのになぜ外で待ち合わせなんだ?」

「悪あがきの対策です。お気になさらず」


あなたに言っても分からないと思うので。という言葉はかろうじて飲み込みました。

会長は首を傾げながら男子寮に帰って行き、あたしも自室に戻るとロフトベッドに倒れ込み、すでに疲れ切った体を癒すことにしました。

大変なのはこれからなのに既に一戦終えたような気分です。

次に気が付いた時、時刻は12時を回っていて部屋の中は太陽の熱でほっこり温かくなっていました。

どうやら二度寝してしまったようです。

温かくなってきた時期なので良かったですが、何も掛けずに寝ては風邪を引いてしまいます。ここには病気の時、看病してくれる親が居ないのですから気を付けなければいけません。同室者の椿に迷惑を掛けるのは控えたいですから。

寮では昼食は自分で買うか作るかしないとないので、あたしは寝癖が無いか確認して昼食を買いに外に出ました。

自分で作って食べる時は食堂担当の方に許可をもらう必要がありますし、わざわざ材料を買ってくるのも大変ですからほとんどの生徒が外に食べに行くか、出来ている物を買ってきます。


外は四月の終わりらしく、徐々に夏に近付いていることを感じさせる日差しでした。GWになれば半袖でも大丈夫なくらい熱くなるかもしれません。それが過ぎれば沖縄では一足早く梅雨に入るでしょう。

あたしは寮近くのコンビニで午後に備え、スタミナの付くカルビ巻きおにぎりを買い、寮へと戻りました。


いまいち会長が分かりません。

自分で考えたキャラなのに……(--;)

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