4章1話
『愛知県警本部より各局、矢作川、川辺にて刺殺体を見つけたとの通報あり、付近PCは至急現場に向かわれたし』「行く?」「行きましょう」「残業決定」そういいながら赤色灯を車の天井に乗せる「機捜2-3より愛知県警本部、豊田一丁目から向かいますどうぞ」『愛知県警本部了解』これはしばらく帰れないやつだ…刺殺体なんて殺人事件確定演出、捜査に駆り出されるめんどくさい…なんて思っていたら現場に到着する「機捜2-3現着」腕章と手袋をして現場に入る、6月とは言え暑い「うわぁ…」相方が遺体を見てうめく「新人よ、これはまだ綺麗な方だぞ」冬に比べて6月は腐食が早い、ウジ虫などが湧いていないのでまだ綺麗な方だろう「えぇ…」「さえと、身元は?」「鞄見てないのでわかりません、現場封鎖したばかりで…」地域課のパトカーが一台他はまだ急行中のようだ「…じゃぁ確認しますねぇ」遺体に手を合わせてから周辺を漁る「…クロユリだ」一輪クロユリが添えてある「……わざと置いた?」「ですね多分」「まぁいいや、カバン開けまーす」「写真撮った?」「撮りました」相方仕事は早い「財布…あった学生証、天野銀」「学生かぁ…」「え?まずいですか?」「いやぁ…弟と合同捜査」被害者学生ならJCRTの土俵だ…終わった
「はいはいはいはい〜警察警察」野次馬をかき分けて進む「こんちわ綾さん」現場に先に来ていた綾さんがこちらを向く「ういっす1課ってことは」「残念僕もいるよ」弟がいるとわかったからだろう、顔が一気に暗くなる「なんでいるの?」「え、だって…」優樹が被害者の持ち物を確認してる莉乃をチラッとみる「あーね、莉乃ちゃんに連れてこられたなら仕方ない」「さてと、現在分かったことちゃっちゃと言ってくよ〜」綾が仕事モードになる「被害者は天野銀13歳、学校は確認中、遺体は滅多刺し、顔がかろうじてわかるくらい、腹はもうぐちゃぐちゃで骨がチラッと見えた」「グロいな」「まぁね、死後1日も経ってない、血痕からここで刺されたのは間違いない、抵抗した痕跡は無し」「了解、現場見ますね〜」「いいよ〜踏み荒らすなよ」「僕のことをなんだと思ってるの?」そう言いながら優樹がメガネをかける「さてと、どう思う莉乃」現場は橋の下、橋の下の道に血痕がある「雑草だらけの橋の下の端に捨てた…少しでも発見を遅らせないように…」「橋の端?」「次それ言ったら次ここで死ぬの佐久ね」「ゴメンナサイ」死後10〜12時間現在7時なので昨日の午後5〜7時頃だろうか?「んまぁ時間的に散歩してて、後ろから刃物でグサァ、抵抗した痕跡がないことから多分最初の一撃が致命傷を負った」「もしくは、手足を縛った状態でここまで運んだ、睡眠薬を使った?」「かなぁ?解剖しないとわからないなそれは」優樹が言う「さてと、どうする?捜査方針」「勤務時間外に仕切んな」「信美は黙ってて欲しいな」優樹がすかさずカウンターを入れる「……ハイ」ニコニコした顔の圧って…案外怖いな「さてと…お姉ちゃん」「綾警部と呼びなさい!」「姉貴、その死体」「ご遺体と言いなさい!」話が全く進まなそうである「ご遺体どうする?」「解剖」「OK」「解剖するんだったらその間にトラブル洗うか」「学校乗り込みチームと家乗り込みチーム分けよ〜」信美と優樹、莉乃と俺で別れることになった「家行く」莉乃が家を選択する「オケじゃぁ私たち学校乗り込むね〜」「…家いるかな?」「7時だろ?仕事場この辺なら全然いると思う」「そうだね…佐久の両親は、共働き?」「離婚したから共働きもクソもないよ」「…なんかゴメン」車に乗りながら莉乃が謝ってくる「いいよ、気にしなくて」「うん…ちなみにお父さんは仕事何?」「旅行会社のツアーガイド」「マニアック」「そう言う莉乃こそは?」学生証に書かれていた住居をカーナビに打ち込む…電話番号は載っていなかったので無許可突撃である「んー?私」「うん」「お父さんは印刷会社、お母さんは食品メーカー」「印刷?」「お土産の箱、外観作ったりとか」「お菓子の箱?」「んー…説明が難しいな…」莉乃がナビに従って車を出す「箱っていうか」「うん?」「お菓子のお土産って…箱の上から紙載ってるじゃん」「あー」「あれの…デザイン」「なるほど…デザイン?!」「詳しくは知らないけどね?名古屋駅のクッキーあるじゃん」「うん?」「名古屋城の?」「うん」「……すげえじゃん」「観光ガイドもすごいけどね?」莉乃が照れくさそうに答える「そうだなぁ…ツアーガイドだから海外によく行くんだよ」「いいなぁ…海外土産」「買ってくるけど…1年前さ」「うん」「同僚が1人交通事故で入院1人が退職して…」「えぇ…」「3人の仕事一気にお父さんに回ってきて」「他の人は?」「別の仕事で空いてるのがお父さんだった」あの時の父親の顔は忘れられない「三週間…アメリカ、フランス、台湾の順番にツアー行ったよ」「えぇ…」「ただいまぁ…3時間後行ってきます」「……」全ての仕事が終わって帰ってきたあの時の顔は開放感と疲労感が混ざっていた「もうそろそろ着くよ」「OK」腕章をJCRTからMIUに変える「非公開部隊だからわざわざ腕章作る必要は無いと思うなぁ」「間違いねぇ」ちなみに捜査一課、機動捜査隊、少年課などなど色々渡されている「ほんとスパイみたいな部隊だよな」「特殊部隊だよ?」「そうだったわ」内戦中に作られた発足した部隊+非公式に動けるSATのような特殊部隊のような部隊が欲しいということで、作られた部隊がJCRTである…「到着、車ある」「出勤してないもしくは専業主婦」「まぁ息子帰ってきてないから心配で休みってのはあるかも?」「そうだな」車を止めてインターフォンを鳴らす『はーい』「すみません愛知県警機動捜査2課です」課長が綾さんなので色々融通がきく『天野銀さんのことでお話し伺いにきました」『すぐ行きます』女性の声だったので専業主婦なのだろう「こんにちは、愛知県警の前田莉乃です」「弥生佐久です」「…銀が何か?」「上がっても大丈夫ですか?」「はい…」
全作品MHTの3章(投稿した記憶がない)でも被害者でした銀くん確か
人からもらった名前を故人にする…最低ですね…
あっ後クロユリの花言葉調べようとした人面白く無くなるのでやめましょう