紀州のドンファン殺人事件を推理する、その9(2024年5月25日・記)
5月24日(金)、文化放送で「紀州のドンファン事件」に関する対談が有った。私はこの度、初めて知った内容でした。ゲストの吉田隆氏は野崎幸助の著書のゴーストライターだったとの事です。同氏の言葉を少し長いですが引用します。
「いやぁ、驚いたなんてもんじゃなくて。ちょうど6年前の午後4時にドンファンから『明日来てくれないか?』っていう電話があって。『どうしたの?』って聞いたら『それは会った時に言う』と。彼は月に1、2回くらい(東京の)聖路加病院に診察に来てたんです、飛行機に乗って。6月1日に来るのがわかってたんで『その時でいいんじゃないの?』って言ったら『それは困るんです、とにかく来てください』と。『離婚かい?』って聞いたら『まぁだから、(話すのは)会った時です』って言って。で、『明日行きますわ』って言って(電話が)終わったんですよ、午後4時ですね。そして明日は早めに行こうと思って、家に帰って早めに寝たんですよ。そしたら、ちょっと起きたら、電話の着信がきているのがわかったんで『あれっ、なんだろう?』と思ってかけ直したら、(ドン・ファンの自宅の)番頭さんが『(ドン・ファンが)死んだよ』って」
この言葉にヒントが有ります。野崎幸助は急いでいた。だから吉田隆氏は朝早く出発しようとしたのだ。何を急いでいたのだろう。殺されそうだから急いだ訳ではない。それなら電話で言うはずである。次に、「離婚かい?」と訊いている。おそらく、それまでに早貴に対する愚痴を聞いていたのだろう。幸助は「まぁ、有った時です」と答えている。幸助の頭の中に離婚は無かったと考えます。2度目の着信記録は誰からのものか定かではないが、幸助のものであればダイイング・メッセージだったのではないか。そうであれば次の推理が成り立ちます。
幸助は<紀州のドンファン最後の大勝負>の出版を考えたのではないか。兄弟親族との相続争いに嫌気がさし、早貴との生活も楽しくはなく、華々しい人生が色あせて行くのを我慢できなかったのではないか。そこでアガサ・クリスティの様に謎めいた死がドンファンに相応しいと考えるに至ったのだ。しかし、ゴーストライターの吉田隆氏に計画を伝えたかったのだが、会ってから実行に移そうとすれば、さすがに止められるだろうと考えたのだ。そこで計画を吉田氏に会う前に前倒ししたと考えられる。この自殺説は2021年5月2日に私のブログで<紀州のドンファン殺人事件を推理する、その4(本稿5)>を書いています。
最後に、須藤早貴は冤罪逮捕であると主張します。