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紀州のドン・ファン殺人事件を推理する、その2(2019年10月3日・記)

紀州のドン・ファン殺人事件を推理する、その2

 この事件は実に奇妙である。愛犬の不審死、主人の不審死、遺産30億円の行方、不自然な関係者、1年以上経っても犯人どころか死因さえも特定できていない。<硬式テニス新打法>と<ノウテンの街第1巻、第2巻>を出版しているので、私は一応作家である。疑惑に絡まる7人とその関係者等々推理小説の種は尽きない。推理文を書きたくなります。しかし、これはフィクションではなく、現実です。仮に犯人が複数であったとしても、それ以外の人は不必要な疑惑を向けられた被害者になります。従って、興味本位な推理文を出すことは差し控えなくてはなりません。

 私は前回、犯人は憎悪の渦の中にいると書きました。この事に付いて少し補足しておかないと迷惑する人もあると思います。例えば<関係者>です。<相続権のある者はSさん以外に5名います>から関係者は5名と考えるのは間違いです。仮に5名が相続を受けると、何らかの繋がりでその配分を得る者がいます。配分の配分を受ける者もいます。ざっと300人位になるでしょう。この関係者は相続の事を知っています。そして幸助が相続をさせないように動いていることも知っています。一般的に憎悪を感じたからと言って殺意を持つことはありません。殺意を持ったからと言って、実行に移すとは限りません。同じことを経験しても憎悪を感じない人もいます。しかし憎悪の渦の中の300人は国民一般の中の300人とは違います。1億円の為に人を殺す者もいれば1万円の為に人を殺す者が紛れていてもおかしくありません。

 それでは犯人像に迫ってみましょう。犯人は元々殺人に抵抗のない性格の持ち主です。たまたまこの渦の中に存在した、又は入り込んだ人物です。犯人は多かれ少なかれ相続の分配がある者です。そして不思議な正義感を持っています。それは困っている相続人を助けるという正義です。もう1つの正義は、<法に基づいて正しく相続行為を行う事です> 犯人にとっては、幸助がその相続行為を妨害する悪人だったのです。

 さて、警察は未だに犯人に行きついておりません。警察は犬の死体を掘り起こし、覚せい剤の有無を調べましたが、その痕跡はありませんでした。当時の報道によれば、警察は幸助の死因である急性覚せい剤中毒の実験台になったのではないかと疑ったのです。それが間違いだったのです。前回に述べた様に、犬は幸助より先に殺す必要が有ったのです。次に、幸助が死んだ日は予定されていたかです。私は否と思います。犯人は憎悪を共有していました。幸助が病死したのでは目的は半減します。犯人によって殺す必要が有りました。しかし相続の関係から殺人事件になるのも避けなければなりません。そこで犯人が行った事は殺人の仕掛けと偶然を掛け合わせることです。幸助が死ぬ仕掛けをしておいて、それが実行に移るのは偶然起こる様に仕掛けたのです。たまたまの成り行きで、ある日幸助が死んだのです。私はもっと大胆に仮説を提示します。犯人は同じ手口でSの殺害も画策していたのです。犯人にとってはSが先に死ぬべきでした。しかし偶然に頼った殺害方法は正確に実行できなかったのです。現在の所その殺害方法は分かっておりません。この線で調べる事は無理です。

 しかし、間違いなく犬と幸助は殺されています。犯人は相続の利にまわりまわって関係しています。そして憎悪の感情を持っています。間違った正義感を持っています。かなりの知恵を持っています。幸助が死んだ日のアリバイは全く関係ありません。おそらく、犯人は自分の能力を誇示したがっています。そして、より直近の相続人に対して能力者ぶってアドバイスをしていると思います。その人物を特定すれば、殺人の方法や犬の殺害方法を自慢たらたらしゃべるでしょう。念の為に言いますと、しゃべり易い犬の件から初めて下さいネ。

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