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7  SMホテル

喫茶店を出ると、駐車場に止めておいた車に乗って、ホテルに向かった。覚悟を決めているのか、しのぶはおとなしく助手席に座った。ただ、息子が学校から帰ってくるので、夕方までには帰してほしいと言う。

「分かった」とだけ隆志は答えた。

しばらく走って、ホテルに着いた。この日のためにネットで調べたSMホテルだった。

部屋に一歩入って、しのぶは立ち竦んだ。広く薄暗い部屋。壁にはX字型の磔台、部屋の隅に大きな鉄の檻が据えられている。婦人科の診察台のような椅子には、両手両足を固定する革の拘束具が取り付けられていた。

「どう、気に入った」

「なんだか、怖いです……」

「心配ないよ、僕がついてるから」

責める相手にそう言われても、安心などできるわけがない。

「あの………優しくしてくださいね」

「わかったよ」

子ウサギのように怯えた目ですがるしのぶに、隆志はそれだけ答えた。


ソファに座って改めて顔を見合わせる。隆志は黙って免許証をテーブルに置いた。

「?」

しのぶが、不思議そうな顔をする。

「僕の本名は、結城 隆之。これから主従になるには、信頼関係が大事だと思うから、僕の個人情報は全部教えます。その方が貴女も安心できると思うんですよ」

「隆志様、いえ、隆之様って……誠実な方なんですね」

「今まで通り隆志でいいですよ。で、貴女の本名は? というか、言いたくなければ、別にいいんだけど……」

「いいえ、隆志様が正直におっしゃったんですから、私も……」

と言って、しのぶもバッグから免許証を取り出した。そこには『四宮 美保』 と記されていた。

「美保さんて言うんだ。貴女にふさわしい綺麗な名前ですね」

「そんな……」

褒められて頬を染める様子が愛らしい。まるで10代のようだ。この人が、あの狂ったような破廉恥なオナニーに耽っているとは信じられなかった。

「それじゃあ、これからお互いに嘘はなしだ。美保はほんとに僕の奴隷になる覚悟はあるんだね」

「はい、隆志様に誠意を見せていただいて、覚悟が決まりました。至らぬ奴隷ですが、隆志様に気に入っていただけるように、厳しいご調教、よろしくお願いいたします」

と頭を下げるのだ。

だが、そこで隆志の口調が変わった。

「なんだよ、その態度は」

と冷たく突き放した。

「え?」

「奴隷には奴隷の作法があるだろう。だいたい牝犬が服を着てちゃあ、おかしいだろうが。ご主人様に挨拶するときは、全裸で土下座するんだよ」

「ああ、申し訳ありません。すぐ脱ぎますから」

後ろを向いて上着を脱ごうとする美保に、再び叱責が飛ぶ。

「そこじゃない、この上で脱ぐんだ。僕によく見えるようにね」

「ここで、ですか? ああ、恥ずかしいです……」

羞恥に真っ赤になりながらも、美保は素直にテーブルに上がった。

上着を取り、白いブラウスから腕を抜いていく。シルクのブラジャーを外すと、右腕で乳房を隠す。

「隠すな!全部見せるんだよ」

「はい、ごめんなさい」

恐る恐る外された手の下から現れた乳房は、重力に負けることなくプリンのように優しく膨らみ、ピンクの乳首がツンと突き出していた。

残されているのはスカート一枚。美保は腰に手をかけたまま固まっている。喫茶店で隆志にパンティを渡してしまったから、下は何も穿いていないのだ。動画で何度も視られているとはいえ、生の秘所を晒すのは恥ずかしい。

「早くしろよ!」

叱られて、ビクッと震える。美保は固く目を瞑ると、そろそろとスカートを下ろしていった。

「!」

ヴィーナスが輝いていた。着やせする(たち)なのか、美保の身体は服の上からは想像もつかない豊満さだった。テーブルの上に立った美麗は身体を九の字に降り、恥ずかし気に左手で胸を覆い、右手で股間を隠している。

「隠すな!」

「は、はい……」

目を開き、隆志と見つめあう。

「ご、ご主人様、いかがですか?」

「きれいだ、素敵だよ……」

「ありがとうございます」

「でも、まだ肝心なところは見せてないよ」

「え?」

「決まってるだろ。自分であそこを開いて中まで見せるんだ」

「ああ、はい、でも恥ずかしい……」

「美保は僕の何?」

「奴、奴隷です」

「美保は誰のもの?」

「ご主人様の、隆志様のものです」

「美保の乳首は誰のもの?」

「ご主人様のものです」

「美保のオマンコは誰のもの?」

「ああ、美保の、オ、オマンコもご主人様のものです」

「僕が、僕のものになった美保のオマンコを見たいと言ってるんだよ!」

「ああ、分かりました。ごめんなさい。ご主人様のものになった美保の、オ、オマンコ、ご覧ください」

そう言いながら、美保は両足を開いた。ボウっとけぶる若草の間に綺麗な一本の縦筋が見える。

「そんなんじゃ分からないよ。自分の指で大きく開いて、中までよく見せるんだ!」

「ああ、こう、こうですか?」

美保は両手で自らのビラビラを摘み、左右に大きく広げていった。固く瞑られた両目からは恥ずかしさのあまり、涙が滲んでいた。

「…………」

色素の沈着の全くない、童女のような薄いピンクの大陰唇の間から、紅い薔薇の花弁が覗いていた。

「もっと、開け!」

かすれた声で、隆志が命じる。

「こ、これでいいですか?」

花弁の間に美保の膣の肉胴がぽっかり開かれた。鮮やかなサーモンピンクに染まった肉の襞々(ひだひだ)がウネウネと蠢き、まるで食虫花のように男を誘い込もうとしているかのようだった。

これほど楚々として美しく、淫らで厭らしい女性器を見るのは初めてだった。

何も、声にならない。綺麗だ………。それだけだった。

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