なんでもない特別な日常のはじまり
物心ついたときからふしぎだったんだ…
家に帰ったらパソコンに向かってなにやら忙しい父と母
異様に多いゲーム機
ヒーローショーにすごく行きたがる父
戦国武将にやたら詳しい母
家族旅行に行く先々で、聖地巡礼といいながら写真を撮りまくる二人…
小学生にあがり、徐々に友達の家と自分の家との雰囲気に、なんともいえない差があるなとおもい始めた頃、親も息子に対して吹っ切れたのかゲームキャラのポスターが家中にはられるようになった
友達が遊びに来たとき、「なおの家はおもちゃいっぱい買ってもらえていいなぁ」っていわれて悪い気はしなかったけど、ひそかに思ってた
これ、全部じぶんが欲しいって言ったものじゃないんだけど……
中学生になり、当たり前になった家の中の現状にはふれず、適度に遊び、学校ではそういうアニメやゲームの話はしなくなってきた
だってそうだろ?
完全にうちの両親黒じゃん…
率直にいうとオタクじゃん…
こちとら思春期真っ只中だ
最近世界に認められてきたこともあり、世間はゲームやアニメに寛大になってきているけど、それでもオタクへの風当たりは冷たい
クラスで浮かないように、ボロがでないように、明かすことなく、
僕は高校生になった




