表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人間嫌いな俺とビッチな少女  作者: マイナスイオン
冬の訪れと共に現れる転入生
44/61

禁断の果実

萌の過去とは?


よろしくお願いします。



彼女が去ってからどれくらいの時間が経ったかはわからない。


気づけば流していた涙は枯れ果てている。


「家に帰らなきゃ....」


冬の屋上というのは体が冷やす。これ以上いたら身も心もさらに冷え切ってしまうよね?


屋上を後にし、帰路に着いた私だったが、帰り道も東雲さんに言われたことが頭から離れることはなかった。


「ただいま......」


不幸中の幸いなのか、まだ家には誰も帰ってきてはいないようだった。


せめて、穂希がいてくれたらまだ気持ちが楽になったのかな?


誰もいない静かな空間が私自身を喰うかのように心を支配していくようだった。


私があの悪魔と似てる?そんなことはあるはずない!あるはずないけど......


枯れたはずの涙がとめどなく溢れ出し、私は深い闇へと堕ちていった。


……


懐かしい夢を見ている気がする......


そう、中学までの自分はいわゆるトップカーストとは程遠いメガネっ娘だった。


性格は今とそんな変わってないとは思うけど......


元々おしゃれすることより読書したり、体を動かしたりすることが好きで自分のことを可愛いと思ったことも誰かと色恋沙汰になることもなかった。


自分が可愛いと気づくきっかけはほんの些細なことだった。


ドンっ!ベシャ......


「あっ、悪い!」


ある日、みんなでバスケをしている最中に私はメガネを落とし、それを踏まれる。


よくある光景だったように思うけどぶつかった男の子の反応は違った。


「ごめんな!メガネ弁償するから。それと、余計な

お世話かもしれないけど萌、メガネ無い方が可愛いと思う」


「あーほんとだー!可愛い!」


「ほんとだ!萌ちゃん可愛いよ!」


最初はからかわれてるだけかと思った。

小4の頃からメガネだったし、度がキツかったのか、レンズで目が小さくなってたらしい。


中3の冬休みを利用してコンタクトにした結果、私の周りはあっという間に変化した。


みな、受験勉強に忙しいにも関わらず、好きと書かれた手紙も山のようにもらった。


だけど受験の忙しさもあり、今まで何も言ってこなかった人たちの手のひら返しに呆れ、中学時代に誰かと付き合うことはなかった。


初めての彼氏は高校に入ってからできた。


高校に上がる頃には自分がモテるということを認識し、無事高校デビューを果たしたつもりだったし、

案の定モテた。


そして高校生活に馴染み出した5月に私は当時高3の先輩に告白をされ、そして付き合った。


最初は凄く楽しかった。顔はイケメン、性格も私の

ことを気遣ってくれる先輩。我ながらにいい男と付き合ったと思ったほどに。


だけど付き合いを初めて1ヶ月が過ぎた頃だったかな?


先輩の家に呼ばれた私は、先輩に導かれ、高校生が触れるにはまだ早いであろう禁断の果実に手を出してしまう。


学校で習う性教育でしかその言葉、行為を知らなかった私は見事にその行為に溺れた。今まで体験したことの快楽に私は身を任せ、そして堕ちていった。


その行為に危険が伴うことは分かってても、1年前の私は止めることはできなかった。


その先輩と別れた後も私は付き合った相手とはことは済ませてたと思う。

今考えれば馬鹿だと思うけどそれくらい私はのめり込んでしまっていた。


だけど、私が付き合ったのがほとんど3年の先輩だったことからか、もしくは私たちを恐れてか、学年で広まることはなかった。


そんな高校生活を送ってた私がふと我に返った時には取り返しのつかないことをしていたことに気づく。


ただ、他の人が口に出すことはなくても客観的に見た私は快楽に溺れたビッチ。自分の身を大切にできず、ただ本能のまま溺れていたことに気づいた。


そして気付いた時には私には生まれ持った可愛いと

いう言葉しか残ってなかった。


だからきっとその最後の自信の要だった可愛いまでも否定されたようで私は鍋島を惚れさせることにこだわったんだ......


今の好きな気持ちに嘘なんてない。だけど、彼を好きになるまでの私は....?


結局、救うとか言いつつも私の行いは自分のためだったの?


1番理解してるはずである自分自身のことが私にはもう分からなくなっていた......


ここまでご覧いただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ