帝都高校祭 〜前日〜
第2章メインストーリースタートです。
よろしくお願いします!
……
「やっぱりM字型の方が色々仕掛けができていいよなー?」
「遮光カーテンはもう少し下目につけないと光遮れてないよ?」
「鍋島ージュース買ってきてー」
「私も私も~」
「お前らみんな人使い荒すぎるぞ?」
……
次の日、そしてまた次の日と私たち2年C組はお化け屋敷の準備を進めていった。
そして帝都高校祭の前日に当たる今日。
「やっと!完成したぞー!」
「「おー!!完璧だ!」」
私たちクラスで作り上げたお化け屋敷が完成
した。
「こうしてみるとやっぱり感慨深いものが出てくるもんだな」
「まじ明日が楽しみだわー」
隣にいる鍋島を私はさっそく弄る。
「鍋島も陰が薄いなりに頑張ったんじゃない?」
「陰が薄いのは余計だよ。それなりに俺もコミュニケーションは測ってたよな?」
「あれをコミュニケーションというのかなー?」
「じゃあ何をコミュニケーションって言うんだよ?」
私は思いっきりの笑顔で言ってやる。
「私と今こうして話してること!」
「まあそれがそうならあいつらと話したのは確かにそれには含まないな」
「でしょー?鍋島と話してる量、どう考えても私が1番だと思わない?」
「まあ、お前が圧倒的に多いわな」
もちろんそれは私が意図的にしてるからだよ♪
結構ずっと鍋島話しかけられたりしてたけど私が途中で乱入したりしてたもんね!
「あ、そういえば鍋島さー。高校祭当日って誰かと回ったりするの?」
「あまり仕組みを知らないんだよ。去年は当日休んでたしな」
「基本はクラスの出し物専念だけど交代の時間があって友達とかカップルで回ったりするのー!」
「それを俺に聞くのは酷だろ。友達も彼女も
いねえ奴はどうするんだよ」
「あーそっか、鍋島ボッチだもんね。私は友達も色々多くて大変なんだよね~だけど、もし
鍋島さえよかったら......」
「鍋島くん高校祭の日、誰かと回る予定とかないのー?」
里美が私たちの話に割って入ってきた。
「あぁ、特に友達もいねえからな」
「じゃあ私と回らない?」
「え?なんで里美が?」
「なんで神野が?」
「だって胡桃さんは雨宮さんとかのグループと回るんでしょー?だったら私も回る人探してたし鍋島くんがいいかなーって」
なんでいきなり現れて鍋島と一緒に回ろうとしてるのよ!私が誘おうと思ってたのに......
「まあ、胡桃は色々忙しいみたいだしな」
「でしょー?それにお化けの打ち合わせも休憩の時にしときたいしー!」
「神野が俺なんかで良かったら俺は別に構わんけど」
「じゃあ一緒に回ろうねー♪」
嵐のような女が去っていった。
「なんで鍋島断らないのよ!」
「俺が唯一話せるお前は忙しいって言うし、この前から神野とはちょくちょく喋るしな、それに打ち合わせ込みなら問題もないだろ」
はぁ、完全に失敗したなぁ....最初から素直に誘っておけば良かった。
「あっそ!私はイケメン捕まえて鍋島に見せつけてやるからね!」
「だからなんでさっきからお前は怒ってんだよ」
「しーらない!里美とでも誰とでも仲良くしたらいいじゃん!」
私は怒りの矛先を思いっきり鍋島にぶつけ、その場を立ち去った。
…………
「はぁ、本当は鍋島と一緒に回りたかったんだけどなぁ」
私の口からそんな本音がふと漏れる。
鍋島は私とは回りたくなかったのかな?
男なんだから誘ってくれてもよくない?
行き場のない気持ちが私の心の宙を舞う。
「なんでこんなにモヤモヤするのかな?」
私の頭の中には鍋島と里美がぎこちなく、だけども楽しそうに回る様子が頭に浮かぶ。
「ちょーっと髪型変えて人と話せるようになったからって調子に乗りすぎ!」
それに帝都高校祭の後、2人で屋上に行った
ものはずっと一緒に居られると言うジンクスがあると言う話も聞いた。
「高校祭の後、一緒に屋上に行けばずっと一緒にいれるのよね」
私は鍋島へのこの感情がなんなのかはまだ
わからないけど、何かしらの特別な感情が私にはある気がする。
「当日はどれだけ一緒に入れるか分かんないけど誘ってみようかな?」
一緒に回ることは里美に取られちゃったけど、彼の隣を譲る気はないからね。
勝負は明日!覚悟しなさいよ鍋島~!
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