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人間嫌いな俺とビッチな少女  作者: マイナスイオン
秋の一大イベント帝都高校祭
24/61

雨上がりの空と無数の星

今回が本当のデート編ラストです。

次の話から学校に戻ります。

ではよろしくお願いします!



何やら風呂場から悲鳴が聞こえる。


全く、一体姉貴何やってたんだよ。

それにそもそもなんで一緒に入ってんだよ。

俺、雨に濡れて本気で寒いんだけど....


ようやく2人が上がってきた。が、

なんか玄関で話した時より仲良くなってない?


「ほんと男はだめだよね」


「あーわかります。何から何まで女任せみたいな感じですよね」


....わざとらしい。付き合うのも無駄だな。


そう判断した俺は風呂に入るとだけ言葉を残し、リビングを後にした。風呂上がりの胡桃を可愛かったなと思ったのは内緒だ。


最近胡桃と俺は一緒にいることが増えている。

慣れというものは実に怖い。彼女の言葉を聞き、俺はいつの間にかパーソナルスペースへの進入を無意識のうちに緩めていた。


そしてそれを俺は嫌とは思わず、むしろ認めている状態だ。そして俺は心の中ではできることならまた

誰かと笑い合い、そして仲良くしたいと思うように

なってしまった。


その中にもちろん胡桃もいる。だが、それを願うのは俺には烏滸がましいのではとも思う。

今思えば、沙霧に裏切られた俺に落ち度はなかったかと言われれば即答はできない。


「あの頃は沙霧、今は胡桃にどこかで甘えてしまっているのかもしれないな....」


少しずつでもいい....俺も自分の力で前に進まないとダメな時が来たんだ。


冷えた心は熱によって急激に温められ、そして俺は決意を固めた。


*********************


男性と女性ではトイレの時間もお風呂の時間も全部

かかる時間が違うんじゃないかと思う。


鍋島は髪を乾かすことなく拭いただけの状態でリビングに現れた。


「あっ....」


「え?」


ズボン、いや、パンツすら穿いてない?


「きゃー!!」


「うわっ、胡桃お前いたんだったな!」


「睦月!いつもならいいけど萌ちゃんいるんだから

ちゃんと穿いてから出て来なさいよ!」


いつもお姉さん見てるんだ....羨ま、

違う違う。


「もうとにかくいいから穿いてー!」


「うるせぇな。騒ぐなビッチ」


「私のことをビッチと呼ぶなぁー!」


…………


鍋島ノーパン騒動も収まり、夕飯までご馳走してもらった私は女子2人で話をしたいと言う

お姉さんからの申し出で車で送ってもらっていた。

鍋島はもちろん留守番だ。


「今日は最初にあんなこと言って悪かったわ。

でも誤解しないでね。私はべつに萌ちゃんに睦月と

付き合ってと言うつもりもないしそれを強制する

つもりもないわ。

もちろん萌ちゃんが好きになってくれたら話は

別よ?ただ、好きじゃなくても彼の友達としていて

ほしいなと私は思ってるの。」


本当にお姉さんは弟想いのいい姉だと思う。


「私自身鍋島のことが好きなのかはまだ分かりません。でもさっきも言ったように一緒にいたいと思ってます。だから私は彼を裏切るような真似はしませんから」


「ありがと、睦月はこっちに来てあなたに出会えたことが

もしかしたら1番の収穫になるかもしれないわね」


「そんな、元々は罰ゲームで揶揄って本当に悪いことしたと....」


「それは本当に気にしないで。もう睦月も気にして

ないと思うし、今一緒にいてくれてるだけで私は十分よ。教えてもらった住所はここら辺よね?」


「あっ、はい!そこの角曲がったところなのでここで大丈夫です。送ってもらって本当にありがとうございます!」


「またお家に遊びに来てね。今度は睦月抜きで2人でも全然いいからね!」


「はい!女子会ですね♪またお邪魔します」


「それとお姉さんでもいいけど有栖って呼んでくれてもいいから」


「うーん、また考えときますね♡」


私はそれにはとびっきりの笑顔で答えた。


「あなたのそう言うところが小悪魔なのね。ま、また呼ぶ方は考えといてね。じゃあ」


「はい!ありがとうございました!」


こうして私の長かった1日は終わった。

鍋島睦月は一見冴えないような男だけど前髪を上げて顔全体を見たら綺麗な顔立ちをしてるのよね。お風呂上がりに再確認できたし、それは私の中だけの秘密!


雨が上がり、空に散らばり輝きを放つ星たちが密かに芽生えつつある心を応援してくれているようだった。


ここまでご覧いただきありがとうございます。

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