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ファンタジーセラー   新潮文庫

 お久しぶりです、こんにちは、ごきげんいかがでしょう。

 しんどうみずきです。

 今年も残すところ一週間を切っていますね。一年間、思えば早かったものです。私の年間目標である100冊も残すところ51冊となりました。残りの4日で毎日13冊読めば間に合う計算ですね。

 余裕ですね。

 どうすればいいんでしょう。

 しかし、私はまだ諦めません。あきらめなければ、きっと奇跡は起こるはずです。誰かもそう言ってました。

 仮に読めたとして、私は50冊以上のレビューを書くだけの余力を残しているのでしょうか。甚だ疑問です。こういうのをなんていうんでしたっけね。

 正解は取らぬ狸の皮算用です。年始の私にいってやってください。



 さて、閑話休題。

 今回は総勢8名の作家が書いたファンタジー短編小説を集めた作品を紹介したいと思います。

 有名作品のスピンオフあり、完全オリジナルの新作ありで、どれも楽しむことができました。原作を知らなくとも大丈夫なように構成されていますが、キャラが好きになって本編に興味を持つなんてこともあるかもしれません。

 そしてなにより一冊でまったく違う文体を味わえるのが良いですね。

 ページを捲った瞬間に分かる、一人ひとりの世界。短篇集だからこそ感じられる喜びです。


 どれもおすすめな作品ばかりではありましたが、石野晶さんという作家が気になりました。

『スミス氏の箱庭』面白いです。

 なかなかあの世界観は出て来ません。


 拙いながらも小説を書いている身としては、各人の個性を分析するのに素晴らしいテキストになると思います。楽しめて、勉強にもなる。一石二鳥ですね。

 ぜひとも第二弾を発行してほしいものです。





ーーーーここからネタバレ有りーーーー








 森見氏はなんですかね、エッセイでしょうか。

 あれはあれで自分史的なファンタジーだったのかもしれませんが。せっかくだから和風ファンタジーを読みたかった……。

 それはともかく、自分と小説のつながりを探るのは愉快なものです。

 私は、ついには何故小説を書いているのかという原点まで把握しておりますが(非常にプライベートな理由でした)、その他ストーリーの傾向が偏っている原因なども探りつつ、プロットを書いています。

 私の作品にはどうして女の子の主人公が多いのか、とか。

 たぶんはやみねかおる大先生の夢水清志郎シリーズの影響が大きいものと思われます。そんな感じに自分探しをするのも、また一興ですね。



 石野晶さんによる『スミス氏の箱庭』は衝撃的でした。

 何者なんでしょう、スミス氏。私はトトロをイメージしながら読みましたが、もっと奇妙なものであろうと思います。ちょっとうざいながらも、愛されるキャラクター。学校そのものに住み着く彼は、いったいどんな気持ちで箱庭を作っているのでしょうか。

 出番は少ないですが他の登場人物たちもキャラが立っていて、すごく好感の持てる作品でした。

 ぜひとも別の作品を読んでみたいですね。



 そして山椒大夫の二次創作である『水鏡の虜』も素晴らしかった。

 原作では描かれることのなかった姉の最期。そして、彼女の抱いた(かもしれない)恋愛感情。

 どれもIFの設定ではありますが、そのIFを生かしたからこその結末。

 まさか山椒大夫が二郎だとは、ね。

 二次創作ながら人間の光と闇を鮮やかに切り出した作品でした。



 そして竹取物語を元ネタにした作品を書いた身としては(恥ずかしい限りですが)『嚇夜島』も見逃せません。

 かぐや姫を恋い慕うばかりに化物となり、帝をも襲った五人の男たちの哀れな末路。

 かぐや姫って本当に恐ろしい女性だったと思います。そして私事で申し訳ないのですが懐かしい石上と大伴御行にひとりニヤニヤしていました。

 こういう小説同士のめぐり合わせって面白いものです。

 


 素敵な出会いのある、素敵な短篇集でした。

 それでは、このへんで。

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