宵山万華鏡 森見登美彦
こんにちは、最近すっかり冬ですね。
そんな私はすっかり森見登美彦にはまっております。そのせいか京都に行きたくて仕方ありません。冬の京都はさぞかし寒いことでしょう。
そんなわけで今回も森見先生の『宵山万華鏡』を紹介したいと思います。
今作も短篇集ですね。
京都の祇園祭で行われる山鉾巡行の前日に催される宵山を舞台にしたアンソロジーで、お祭り独特の不思議な雰囲気を余すことなく表現しています。
そこら辺の夏祭りとは違う、京都の祇園祭だからこそ感じられる緊張感と、それに負けず劣らず変わった登場人物たちと世界観がうまく交じり合って、見事に森見ワールドを形成しています。
『夜は短し歩けよ乙女』ほど特徴的な文体ではありませんが、やはり和風を意識した面白い文章でした。
できれば夏の夜に読みたかったなあ、なんて贅沢な感想を持ちつつ、宣伝はこれくらいで。
こちらもぜひ読んでほしい一冊です!
ーーーーここからネタバレ有りーーーー
短篇集というよりも、ひとつの物語を多視点で描いているのが特徴ですね。
宵山という、本祭前のなんともいえない高揚感に満ちた世界を、綺麗に彩っています。
私が特に好きなのは宵山様を仕立てあげるシーンなのですが、とにかく読んでいて愉快でした。こうも楽しい人達を生み出せたら、小説書いててすごく楽しいだろうなあーとか思いつつ、ニヤニヤしながらページを捲っておりました。
コメディ少なめ、シリアス多めの配分だったように思いますが、それはそれでいいんじゃないかなと感じました。
ファンタジーなくらいぶっ飛んでる喜劇の裏に、おどろどおろしい側面が潜んでいる。祭り自体の持つ二面性をうまく表現できていたのではないでしょうか。
お祭りってむかしむかしから呪術的な意味合いが強いので、自然と怪しい現象も起こるものだと思います。
その景色を、作者ならではの筆致で切り取ったものを集めて『宵山万華鏡』に仕立てあげたのが、本作なのでしょう。
急速に株を上げてきている森見登美彦の小説ですが、年末に一気買いしてしまいそうで怖いです。
どうにか図書カードがもってくれることを祈りつつ――今回はこのへんで。
しんどうみずきでした。




