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長距離走者の孤独   アラン・シリトー

 こんにちは、しんどうみずきです。

 11月も終わりに差し掛かり、世間ははやくもクリスマスソングを流し始めました。

 私は毎年のように聞こえてくる恒例の歌を耳にすると、ああ今年も終わってしまうのだなあと切ない気分になります。

 まだ年間100冊の目標にも達していませんし(もはや……いや、なにもいうまい)、うかうかしていられませんね。


 さて、そんな焦燥感を覚えながら読んだのはイギリスの作家アラン・シリトー著『長距離走者の孤独』です。

 なんでもシリトーの最高傑作とも名高い作品で、これを原作にした『長距離ランナーの孤独』という映画も非常に高い評価を得ています。

 私も二時間ばかりの映画を見ましたが、なかなか味のある白黒映像で(昔の映画の英語はさっぱり聞き取れないです)、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

 ぜひ一度ご覧になって下さい。


 さらに本作は短篇集ですので、彼の多彩な作品を楽しむことができました。

 とくに『アーネストおじさん』は心を打つ素晴らしい小説でした。といっても悲しい方向にですが。


 イギリスの作家といえばチャールズ・ディケンズが圧倒的に有名ですが、たまには他の作者の文学作品を読んでみるのも楽しいかと思います。

 ぜひぜひ。





ーーーーここからネタバレ有りーーーー












 これは他人の受け売りなのですが、長距離走者の孤独といいながらも、孤独でない点に注目したいと思います。

 主人公であるコリンは最後、自分がこの小説を書いていると明かします。そしてその原稿を託す相手は、自分が最も信頼出来る人物だと語っています。

 これのなにが孤独なのでしょう。

 信用できる仲間がいて、もちろん友だちもいて、母親も生きてて、家族もある。

 十分すぎるくらいじゃないですか。

 では、精神的な面の孤独なのでしょうか。

 それも違うように思います。

 長距離走という競技のなかで充足感を得ている主人公は、孤独を感じてはいません。


 じゃあ、いったい何が……。

 唯一あるとすれば、父親の不在という孤独感ではないでしょうか。

 この主人公、実は父親を嫌っているどころか、その影を追い求め、自らも同じ行動をたどっています。

 社会(というか権力者)への反抗、その理念を受け継いでいるのです。

 自分の憧れを追い求めながらも、そのゴールはもういない――そういう意味での、長距離走者の孤独。


 かもしれませんね、わかんないですけど。

 こんなかんじで自由に語れるのが文学のいいところです。これが小説のドコドコを基に根拠が云々……となると、ちょっとばかしやる気が削がれます。大事なことだとは分かっているんですけどね。

 芥川龍之介の『藪の中』でもあるまいし、どれが正しいかを議論するより、自由に意見を述べ合うほうがずっと楽しいと思います。



 というわけで、今回はこのへんでお別れです。

 目指せ、百冊!

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