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川端康成   ちくま文庫

 お久しぶりです、しんどうみずきです。

 年の瀬も近くなって参りましたが、私は一向に読書がはかどらずに困っております。

 そろそろ秘策「二時間で読めるラノベを読みまくる」もしくは「赤川次郎作品を読みあさる」に移行しようかとも考えています。とにかく大量消費ですね。意味があるのか知りませんが、目標は達成できそうです。



 今回も日本を代表する文豪、川端康成を紹介したいと思います。

 以前にも『川のある下町の話』、『掌の小説』の感想を載せているので、そちらもどうぞ。

 何作か読んでいて気づいたのは、川端康成という作家の特徴をあげろと言われれば、特徴がないことが特徴なのかな、ということです。物語に激しい起承転結があるわけではなく、文章も癖のある文体ではありません。

 それでもなお人気があるのは、西洋文学のくっきりした小説とは違う、日本の小説らしさが心地よく感じる人が多いからではないでしょうか。



 本作に収録されている解説のなかで、こう述べられています。

 物語をドラマチックに盛り上げる西洋の小説作法に当てはまらない、連詩のようにイメージをふくらませていくスタイルこそが川端康成の魅力なのではないか、と。

 たしかにそのとおりだと思います。

 あくまでエンターテイメントとしての面を強調する大衆小説ではなく、文学そのものの魅力を追求したからこその美しさに、我々は惹かれているのでしょう。



 さて、この本も川端康成の作品を幾つか収めています。

『葬式の名人』ほか『掌の小説』から『雨傘』など七編、それと『山の音』というちょっと長めの小説です。

 せっかくなので今回は『山の音』について語らせてもらいます。

 一言で表すなら、朝ドラを見ているような感じになりました。

 ストーリーの大きな筋を追いかけていくのではなく、日々の出来事の中からひとつの時代と家族を描いていく、そんな作品です。もちろん緩急をつけるための動きはたくさんあるのですが、そのどれもが家庭的なことで、世界を救うようなファンタジーはもちろんありません。

 作中の人物たちと一緒に四季を追いかけるような、時の流れを感じることのできる小説だと思いました。

 情景描写も、うまいところを切り取ってくるなあと感心させられます。なんというか、日本人のツボを押さえていらっしゃる。

 派手さはないけど、美しい小説です。ぜひ、ご一読を。






ーーーーここからネタバレ有りーーーー













 最後はハッピー・エンドに向かいつつって調子で、良かったです。

 川端康成はけなげな女の子を描くのが実に上手いですね。菊子のけなげさといったらもう、修一に代わって結婚したいくらいです。だから最後はもう幸せになってほしいの思いでずっと読んでいました。

 いっそこのまま不幸でいるくらいなら信吾と結ばれてもいいかなあ、なんて夢想してしまうくらい。

 中絶とか、堂々としている浮気とか、修一の子どもとか、いろいろつらすぎます。

 けど、けど!

 修一だって戦争の傷を抱えているんです。

 そう、だからこそ憎みきれない。

 もどかしさ半端じゃなかったですね。菊子バンザイ!



 こんな感想ですみませんでした。

 下手なキャラ小説よりよっぽど好きになりますね。以上、今回はここまで。

 次回もよろしくです!

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