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星を継ぐもの   ジェイムズ・P・ホーガン

 SFがなんの略だか、みなさんご存知でしょう。

 これを「すこしふしぎ」と読んだのは『ドラえもん』で有名な藤子・F・不二雄さんだそうです。『ドラえもん』もハリウッド流の脚本術にかかったら『ターミネーター』になりかねないでしょうが、それをマイルドにしているからこそ「すこしふしぎ」なのだと思います。

 SFにも幅広いジャンルがあります。

 あまりに多すぎてよく分からないくらいです。

 それに関して面白い記述がウィキペディアにあったので、抜粋してみようと思います。




SF作家であり文芸評論家でもあるデーモン・ナイトは、SFの定義に関する困難さを「SFと呼ばれるものがSFだ。("science fiction is what we point to when we say it")[2]」と述べ、またそれを受けてMark C. Glassyは、SFを定義することはポルノを定義するようなものだと述べた。つまり「何であるとは言えないが、目にすればそうであるとはっきり分かる[3]」と述べた。



 以上、引用でした。

 つまるところロマンがあればなんでもいいんじゃないかというのがSFだと、私は解釈してます。近未来であれ、宇宙人との邂逅であれ、ワクワクするなら、それがSFだと感じるのなら、それはSFなのです。



 まあ小難しい話はこの辺にして今作は古典的名作『星を継ぐもの』を紹介します。

 ネットでの評判が良かったので買ってみた本ですが、見事にはまりました。

 あらすじはひどく端的にいって「宇宙人の遺体が月で見つかった! なんだこりゃ!」という感じです。

 こんな適当な説明じゃ物足りないという人はぜひアマゾンなり書店なりで手に取ってみてください。

 そして読み終わったころには緻密に計算された伏線と、意外すぎる結末、斬新な世界観と設定にひれ伏しているはずです。

 ちょっと言い過ぎたかも知れません。

 が、私はこの本のおかげでちょっとSFに興味が出てきました。

 もとから世界観のしっかりしている作品が好きなので、私の好みと合致しているのかもしれません。



 最初のほうは何が何やら混乱しますが(私の頭が足りないのでしょう)、後半につれ知識が深まって来るとともに浴びせかけられる作者の怒涛の攻撃。

 さらに主人公たちを取り巻く人間関係や対立など、そちらも見どころとなっています。

 真実を求めるのが科学者の目的であるはずながら、全員が一致団結して真相究明に乗り出すわけでもない、そういう難しさなんかも面白いです。

 SFってなんか小難しそう……と敬遠している人にも、ぜひ一読してもらいたいですね。










―――――――――――ここからネタばれあり――――――――――――











 最後の最後まで気の抜けない展開でした。

 ハントとダンチェッカーが対立しながらも、お互いに新説を出し合って真相に近づいていく展開、熱いですね。

 最後の最後に真相を明らかにするのがダンチェッカーだったというのも個人的に好きです。

 作中ではハント一強みたいな感じだったので。

 そして『星を継ぐもの』というタイトルの重みが読む前と後ではまったく違いました。

 そうです。

 我々こそ、宇宙人だったのです。

 びっくりしたってもんじゃないですよ。それまでハントが口にしてきたことはすべて正解だったので、てっきりすべての真実は明かされたものだと思っていたら、まさかの現生人類=宇宙人とは。



 そして、それ以上に好きなのがエピローグです。

 最後に発掘されたオーパーツが「コリエル」という名前の刻まれた部品ながら、誰にも発見されることなく川の底へ投げ捨てられてしまう。

 ――このロマンの残し方!

 切ないながらも、設定を固め、そして未来にまだなにかあるのではないかという余韻を残しつつ終わる。

 すごく素敵です。

 SFとしてだけでなく、一小説としても素晴らしい作品でした。

 二度、三度と読みこんでいっても決して退屈しないと思います。これを読んで、ひとりでも「また読みたいなあ……」と思ってくれたらいいなと願いつつ、今回はこの辺で失礼します。

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