ダウン・ツ・ヘヴン(Down to Heaven) 森博嗣
やってきました『スカイ・クロラ』シリーズ第三弾、『ダウン・ツ・ヘヴン』の感想です。
もはや宣伝は必要ないでしょう。
もしよかったら目次から『スカイ・クロラ』と『ナ・バ・テア』の方も御覧ください。
余談ですが、最近空を眺めて、飛行機が飛んでいると(米軍なんかのやつだと特に)すこし違った思いを持つようになりました。
空を飛ぶって、どんな気分なんでしょうか。
戦闘機のパフォーマンスなんかにも興味がわいてきたり……。こういうことがあるから読書はやめられないんですよねえ。
ちょっとマイナーな分野でも、作者の力量によって魅力を十分に紹介してやれれば、流行になる可能性はかなり秘めていると思います。
囲碁やテニスは漫画でブームになりましたしね。
自分だけが好きなのかもしれない――というようなジャンルを宣伝する媒体として、小説を利用してはいかがでしょうか。
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前回に引き続き草薙さんのお話でした。
途中、気付いたことがあります。
一人称で書いているくせに主人公が何考えているか分からない――ええ、いったいどんな思考回路してるのかさっぱりです。
一度は好きだった(かもしれない)男と戦えるのが嬉しくて仕方ないとか、女心がうんぬんの範疇を超えていますね。
その意味不明さがよい雰囲気を作り出しているのは事実なんですけど。
どうやったらそのように矛盾した文体を作り出せるのかというと、主人公が冷めているからなんですね。
すぐに怒ったり泣いたりする主人公じゃいけません。
物事を一人称でとらえながらも、第三者の視点で観察している……文章にしてみるとおそろしく高度なことですね。プロってすごいです。
飛べなくなったパイロットは何を考えるのか、っていうのが今回のテーマだったように思います。
もちろん永遠に飛べなくなるのとは違うのですが、ついつい考えずにはいられない読者の想像の一端に、答えをくれたのではないでしょうか。いい作者ですね。
こういう世界観がしっかりしているやつは大好きです。
自分で書く際にも、参考にしたいと思います。




