ギフト 日明恩
二月も寒いものです。
怒涛のようにバレンタインデーが過ぎていきましたが、そんなことに縁遠い私には関係のないイベントです。無視しましょう、ええ。
そんな寒々しい心を温めてくれる一冊が『ギフト』という本です。
ギフト、贈り物という意味ですね。あらすじはいつも通りAmazonから引用します。
過剰追跡が原因で犯人の少年を死なせてしまった元刑事の須賀原。そんな彼が働くレンタルビデオ店に、奇妙な少年がやって来た。『シックス・センス』の DVDを見つめながら、ただ涙を流しているのだ。しかも毎日…。心に傷を負う元刑事と、“死者”が見える少年が、霊にまつわる事件を解決していくハートウォーミングミステリー。
だそうです。
ひとつながりになった短編集という感じで、一つひとつ話を区切ることができたので私にとっては好都合でした。
各文章が簡潔で短いので、さくさく読み進めることができます。
壮大な冒険小説というわけではありませんが、ふたりの人間の心理と境遇にクローズアップしたストーリーで、その他の登場する霊にも心打たれます。
私はこの作者さんの本を初めて読んだわけですが、初心者にもとっつきやすい文体だなあと感じました。ちょっと丁寧過ぎるくらいに心情や状況を説明してくれるので、好みは分かれるかもしれません。
派手なシーンはほとんどありませんが、それぞれの短編がミステリー風で事件をはらんでいるので退屈させない構成になっています。
そして全体としての完成度も高いので、一度読んでみてほしいと思います。
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内容はあっさりしたものですね。
ミステリーといってもあっさりしたもので、複雑な謎かけもない。主人公の過去もあらすじ通り、追いかけ過ぎた少年を事故死させてしまったというもの。
最初のうちは主人公の謎めいた過去がちょこちょこと出されるので興味を引くのですが、別にいうほど重いことだったかなあ……と。
そりゃ一人を過失で殺してしまっているので重いといえば確かにそうなのですが、ちょっと共感しづらかったです。
おまけに最後いきなり他人でも霊が見えるようになるとかずるいですし。
私としてはあんまり好きな作品じゃなかったですね。作風が合わないのかもしれません。
上のほうといってることがまるで違うじゃないかと思うかもしれません。
私は個人的にこの作品をあまり好きでなかっただけで、いいところもたくさんありました。なるべくたくさんの方に読んでもらって、いっしょに感想を話し合いたいというのが日記のコンセプトですから、その点はご容赦ください。
それにしても最後にアメリカへ留学しちゃうっていうのは切ないですよね。
主人公よりも脇役である彼の方が同情できました。霊が見える能力は自分のせいでないのに、両親から疎まれてしまう。
葛藤はたくさんあったことでしょう。
親に愛されるというのがどれほど子どもにとって重要なことか、最近ようやく分かりかけてきました。
おまけに一方的な幽霊たちを相手にしなきゃいけないのですから、ほんの学生である彼には辛すぎる運命でしょう。
特にヒステリー女の言い分を聞かなくちゃいけない所なんかは、そごく大変そうだと、感じましたね。




