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相棒

作者: どばあらばてい
掲載日:2026/03/03

 君が私を狭いところから出してくれた。

 狭いケースの中から。

 君は私をすぐに手に取り、目を輝かせていたよね。

 そんな君を見て思ったんだ。

 ずっと一緒にいたいって。

 初めて君の家に行った時、君は私をずっと握っていたよね。

 そして、夜一緒に寝たよね。

 君は幸せそうな顔をしていたよ。

 寝ている時、君の瞼は動いていたよ。

 夢を見ていたのかな。

 その夢に、私はいたかな?

 次の日から、毎日のように私を握っていたよね。

 でも私はまだ、君には相応しくない。

 君はまだ、力が弱い。

 だから、私を安定させることができない。

 悲しいけど、悔しいけど、君にはもっといい相棒があったはずだよ。

 仕方ないよね。

 まだ、子供だもんね。

 最近生まれたばかりの私が言えることではないんだろうけどさ。

 私よりももっと太いものの方が良かったはずだよ。

 それなのに、毎日私と一緒にいてくれたよね。

 私はそれが嬉しいよ。


 君が小学校に行き始めて最初の日で、君は私を学校に連れていってくれたよね。

 でも、学校は私を許さなかった。

 すぐに、君と私は離れ離れになった。

 さみしかったよ。

 こわかったよ。

 でも、ありがとう。

 君は私を連れ戻すためにいろいろしてくれたんだよね。

 体を張って。

 君のお母さんから聞いたけど、先生にしがみついて、離れなかったそうじゃないか。

 先生もムキになって、君を引きずりながら校内を歩いていたそうじゃないか。

 私としては、感謝の言葉しかないよ。

 でも、危ないことはしてほしくはなかったかな。

 

 中学生になって、私は学校に行くことを正式に許された。

 君は、学校がある日は毎日私を連れていってくれたよね。

 私の同居人はもう2人いたな。

 でも、君は等しく私たちを愛してくれたよね。

 愛されれば愛されるほど、別れが早くなる人もいたな。

 そいつとの別れの時は、毎回ちょっと寂しかったよ。

 次、同じ人がくるとわかっていても寂しかった。

 この寂しさに慣れることはなかったな。

 君の友達が私たちを侮辱したこともあったよね。

 時代遅れだって。

 使いずらいって。

 でも、君はそれを許さなかったよね。

 君は友達に怒ってくれたよね。

 同居人と一緒に聞いていたよ。

 あの時はみな泣いていたよ。

 嬉しくて。

 あと、悔しくて。


 高校生になって、君と一緒にいる時間が増えた。

 あと、三年で受験だね。

 きついだろうけど、大丈夫。

 君の頑張りは私が、私たちがいつも見ているからさ。

 君は1人じゃないよ。

 君の頑張りはきっと認められるよ。

 成績が思う様に伸びなくて、本当に悔しがる君を見るのは辛かった。

 その成績を見て、先生とかがいろいろ言ってくるんだもんね。

 辛いよね。 

 辛かったよね。

 時々、君の手に妙な力が入っている時があったよね。

 きっとイラついてたんだろうね。

 君のイラつきを多少は私にぶつけてくれて大丈夫だよ。

 でも、本気でぶつけてくるのはやめてね。

 痛いから。

 ミシミシいっちゃうから。


 ごめんね。

 君の間違いには気づいていたんだ。

 君と掴んだ感覚で。

 計算間違いも。

 知識違いも。

 文法間違いも。

 でも、私は何も言うことはできなかった。

 ごめんね。

 ああ。

 そんな顔しないでよ。

 いつもみたいな明るい君に戻ってよ。

詩、むずいです。

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