相棒
君が私を狭いところから出してくれた。
狭いケースの中から。
君は私をすぐに手に取り、目を輝かせていたよね。
そんな君を見て思ったんだ。
ずっと一緒にいたいって。
初めて君の家に行った時、君は私をずっと握っていたよね。
そして、夜一緒に寝たよね。
君は幸せそうな顔をしていたよ。
寝ている時、君の瞼は動いていたよ。
夢を見ていたのかな。
その夢に、私はいたかな?
次の日から、毎日のように私を握っていたよね。
でも私はまだ、君には相応しくない。
君はまだ、力が弱い。
だから、私を安定させることができない。
悲しいけど、悔しいけど、君にはもっといい相棒があったはずだよ。
仕方ないよね。
まだ、子供だもんね。
最近生まれたばかりの私が言えることではないんだろうけどさ。
私よりももっと太いものの方が良かったはずだよ。
それなのに、毎日私と一緒にいてくれたよね。
私はそれが嬉しいよ。
君が小学校に行き始めて最初の日で、君は私を学校に連れていってくれたよね。
でも、学校は私を許さなかった。
すぐに、君と私は離れ離れになった。
さみしかったよ。
こわかったよ。
でも、ありがとう。
君は私を連れ戻すためにいろいろしてくれたんだよね。
体を張って。
君のお母さんから聞いたけど、先生にしがみついて、離れなかったそうじゃないか。
先生もムキになって、君を引きずりながら校内を歩いていたそうじゃないか。
私としては、感謝の言葉しかないよ。
でも、危ないことはしてほしくはなかったかな。
中学生になって、私は学校に行くことを正式に許された。
君は、学校がある日は毎日私を連れていってくれたよね。
私の同居人はもう2人いたな。
でも、君は等しく私たちを愛してくれたよね。
愛されれば愛されるほど、別れが早くなる人もいたな。
そいつとの別れの時は、毎回ちょっと寂しかったよ。
次、同じ人がくるとわかっていても寂しかった。
この寂しさに慣れることはなかったな。
君の友達が私たちを侮辱したこともあったよね。
時代遅れだって。
使いずらいって。
でも、君はそれを許さなかったよね。
君は友達に怒ってくれたよね。
同居人と一緒に聞いていたよ。
あの時はみな泣いていたよ。
嬉しくて。
あと、悔しくて。
高校生になって、君と一緒にいる時間が増えた。
あと、三年で受験だね。
きついだろうけど、大丈夫。
君の頑張りは私が、私たちがいつも見ているからさ。
君は1人じゃないよ。
君の頑張りはきっと認められるよ。
成績が思う様に伸びなくて、本当に悔しがる君を見るのは辛かった。
その成績を見て、先生とかがいろいろ言ってくるんだもんね。
辛いよね。
辛かったよね。
時々、君の手に妙な力が入っている時があったよね。
きっとイラついてたんだろうね。
君のイラつきを多少は私にぶつけてくれて大丈夫だよ。
でも、本気でぶつけてくるのはやめてね。
痛いから。
ミシミシいっちゃうから。
ごめんね。
君の間違いには気づいていたんだ。
君と掴んだ感覚で。
計算間違いも。
知識違いも。
文法間違いも。
でも、私は何も言うことはできなかった。
ごめんね。
ああ。
そんな顔しないでよ。
いつもみたいな明るい君に戻ってよ。
詩、むずいです。




