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風の子と、しゅっぱつぅー!
「旅に出るって言っても、どこへ行く?」
フウライが訪ねる。ふらりと出かけることがあっても所詮村の中だ。いつかは村を出て、と思ってはいたが、こんなに早く機会が来るとは思っていなかった。
「手綱を握っているのはフウライだろう。ならばフウライの行くところが我の行くところ。」
赤い姿に戻ったドラゴが言う。人間の世界のことはよく知らないのだ。
「行きたいところへ行けばいい。我が…守ろう。」
「わかった!じゃあ…」
行きたいところ。
「村を出て、しばらく行くと漁村があるらしいんだ。」
主な収入源が畑の作物という村で育ったフウライは、海というものを見てみたかった。
「どのくらい離れているか、わからないんだけど…」
行ったことがないのだ。
半日程度とは聞いているが、実際にどのくらい離れているのかはわからなかった。
「構わん。そこへ行きたいのなら、行くべきだろう。」
背中を押される形で旅立つ先が決まった。
じゃあ、行こうか!
「しゅっぱつぅー!」
こうして二人は旅立ったのだった。




