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ドラゴとフウライ ― 旅の先にあるもの ―  作者: ナナマル
出会い編
5/34

風の子と、運命の鎖

何者かが入ってくる――


厄災と呼ばれた赤いドラゴンはゆっくりとその目を開け、そしてそれを細める。眠ってからどのくらいたったのか、この森に入ってくる人間は久しぶりだ。今度の人間は、どんな欲を持って入ってくるのか。


「たいていの欲は見てしまったからな」


――楽しませてくれるといいんだが。


森の中を楽し気に、踊るように歩く風のような末っ子。


「荒れ地だったって聞いたけど、ほんとかな」


緑の匂い、生い茂る木々を見ると、とても荒れ地だったとは思えない。しばらく歩くと、少し開けた草原のような場所に出た。


そこにぽつんとたたずむ


――ドラゴン


「わぁっ!本当にいた!」


叫ぶように言い放ち、走り寄ってその正面に立つ。


「本物かな?生きてるのかな?」


容赦なく好奇心を叩きつける。

その目はその好奇心の分だけ輝いて見開かれていた。


後ろに回り、横に回り、存分にドラゴンを堪能する。

思ったより翼は大きかった。


「飛べるのかな」


答えてくれるとは思っていないであろう、問いかけ。


――ああ、飛べるとも。お前を乗せてもだ。だが我が答えたらこやつは腰を抜かすのではないか?


困惑と混乱しかないドラゴンはそんなことを思う。


「なんだろ、これ。」


ドラゴンの首から延びる、銀に虹を帯びた鎖。

鎖の噂はすでに廃れてしまった。彼は知らないのだ。


――やめておけ。


ドラゴンが思ったところで、彼の好奇心が止まるはずもない。


つい、と鎖を手に取る。

次の瞬間、鎖はシュルシュルと音を立て、彼の右手に巻き付いた。

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