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ドラゴとフウライ ― 旅の先にあるもの ―  作者: ナナマル
人里編
32/32

村の入口で

村の入り口はすぐ近くにあった。

オークヘイブンのように門があるわけでも、壁があるわけでもない。

ただ、荒れた道が続いているだけだった。

村の入り口と思われる場所には、体格のいい老人が立ちふさがっていた。

漁村で見た村長とはまた違う雰囲気をまとっている。


「村長!この人たちなんだけど…」


「何故よそ者を連れてくる!?

しかも、オークヘイブンと関係しているかもしれないんだぞ!

この村のことを忘れたのか!」


少女の言葉を遮り、村長が激しく言い募る。


「そうだよなぁ。」

「見るからに怪しいよな。」

「子供たちもいるし、心配よね。」


少女と一緒にいた村人たちも不安の言葉を口にする。


「い、いや、僕たちはオークヘイブンには入れてもらえなかったんです。

それに、ドラゴは今は白ドラゴです。攻撃なんてしないですよ!」


フウライが必死に言い繕う。

オークヘイブンから追い出された――そうだ、我々も――昔のことが頭をよぎり、表情が一瞬曇る。


「だが、見ての通りの村だ。客人をもてなす余裕もない。見るものもないし、買うものもない。」


「だから――この人たちに少し手伝ってもらおうと思って!」


少女がその隙を逃さず説得にかかる。


「オークの森さえあれば、って村長も言ってたでしょう?

オークヘイブンと協定を結んだのなら、私たちもそのチャンスはあるかもしれない。」


そういいながら、少女はフウライに視線を移す。


「あ、オークの監視員さん、とてもいいオークみたいだったよ。もしかして、ドラゴなら説得できるんじゃない?」


フウライは少し落ち着いたのか、視線を受け取ると、のんびりとそう言って白ドラゴに目をやる。

白ドラゴはぎょっとしたのもつかの間、


「まぁ、当然できるでしょうね。我に従わない魔物なんて、いないわよ。」


フウライの期待には応える。


村長はわずかに目を輝かせる。オークの森が使えるのなら――


「本当に、そんなことが、できるのか?」


「当然でしょ。」


白ドラゴがそう答えると、村長は意を決したように、近くの村人へ告げた。


「宿に食事の準備を。」


村人が走り去ると、村長は白ドラゴとフウライに向き直った。


「では、宿で詳しい話を。――任せて大丈夫なんだな?」


最後に、少女へと視線を移して確認する。


「うん、任せて!」


同じように目を輝かせ、少女はそう答えた。

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