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ドラゴとフウライ ― 旅の先にあるもの ―  作者: ナナマル
人里編
31/32

これからの村

ドラゴはオークの森を過ぎ、火矢の届かないであろうところまでくると、ゆっくりと地に足を付けた。


「夜が明けちゃったねぇ。」


大きな口をあけながらフウライがドラゴに語り掛ける。


「だが争いは終わったようだな。」


ドラゴが森のほうを見やりながらあくびに応える。


「よかった…ん?」


オークヘイブンとはまた違う雰囲気をまとった人々が、少し離れたところから様子を伺っているのに気づいた。


「あの、大丈夫ですか?」


一人の少女がおずおずと進み出る。


「あ、ええと、ドラゴはドラゴンだけど、悪いドラゴンじゃなくて…」


オークヘイブンの警備員とのやり取りが堪えているのか、言葉がつかえる。


「何があったんですか?森、燃えてましたよね…」


少女はそれでも、フウライから視線を外さず、警戒した様子を崩さない。


赤い翼がふわりと閉じ、白い光をまとう。


「オークヘイブンの人間様が、オークの森を攻撃したのよ。我らがオークに与したとかで。馬鹿らしいわね。」


ふん、と鼻を鳴らし、フウライを隠しながら――発揮した地獄耳で得た情報を伝える。


「関係ないんですよね?」


白く、形まで変わったドラゴに目を見開き、それでも少女は念を押す。


「関係ないわよ。それどころか我らにまで火矢を放ってくるから、逃げて来たってわけ。」


少女はす、と緊張を解き、目を細めて笑顔を作る。


「よかった。ドラゴンさん、そちらの――」


「フウライです。こちらのドラゴンはドラゴ。赤くなったり白くなったりするんだ。赤いほうはとても強いんだ!白いほうはとても頭がいいんだよ。」


白ドラゴの後ろからひょっこり顔を出し、自己紹介ついでにドラゴも紹介する。ドラゴの紹介のほうが詳しいのがフウライらしい。


「ウフフ、フウライさん、ですね。」


その様子がおかしかったのか、少女は顔をほころばせながら名前を確かめた。


「もし、よければなんですけど…私たちの村に寄っていきませんか?オークダンプは小さい村ですが、これからの村だと思ってるんです。」


強い決意を秘めた瞳で、フウライたちに目線を送る。


「それに、おなかすいてません?」


途端にフウライの腹が鳴る。


「正直なお腹ねぇ…」


白ドラゴはあきれ顔でフウライを見やる。


「でも…昨日食べたのって、魚とドングリだけじゃん…」


しょんぼりしながらフウライがつぶやく。


「宿で簡単でよければ食事も出せますよ。」


少女が笑いながらも食事に誘う。


「行きます!ね、ドラゴ!」


勢いよく顔を上げたフウライが、さらに勢いよくドラゴに目をやる。


「仕方ないわね…。」


そうして、ドラゴとフウライは少女と連れ立って宿に向かうのだった。


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