振り返った先には
報酬の袋を受け取ると、中には七色の光をまとう貝の飾りや魚の干物、古銭などが顔をのぞかせていた。
「わぁっ!こんなの見たことないよ!」
フウライの育った農村では、貝の飾り自体珍しくとても高価なものだった。一番上の姉が腕輪につけて自慢していたのを思い出す。それでもこんなに珍しい貝ではなかったはず。
「じゃあ、我々はお暇しましょうか。」
白ドラゴが赤い光を身にまとい、羽を広げた。
「うん!あ…みなさん、それでは!」
はじけるように村人たちのほうに向きなおる。彼らの口元は柔らかいが、目はとても鋭いように見えた。
「そんなに急がず、もう一泊されてはどうでしょうか?」
村長が柔らかい声で誘う。
「そうだよ!もっと遊ぼうよ!」
「明日でもいいじゃん!」
子供たちも熱心な様子。その様子に心惹かれるところもあったが、
「ありがとう。でも、次の街に行きたいし、僕たちはこれで。」
戸惑いつつも、ドラゴの背にまたがる。何か様子がおかしい。
「いいじゃないか!泊って行けよ!」
村の若者がずいっ、と向かってくる。
と、他の村人もいつの間にか同じ方向へ動いているのが見えた。
「いこう、ドラゴ!」
慌ててドラゴを促す。ドラゴはふわり、と空に舞い上がった。
「なんであんなに…」
困惑しつつも、気を取り直して次の街へと思いをはせ、顔を上げる。なかなか動かないドラゴに気づくと
「どうしたの?」
と同じように島を見下ろす。
そこに見えたのは――
家だったがれきの山。
いなくなった、いたはずの村人。




