表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドラゴとフウライ ― 旅の先にあるもの ―  作者: ナナマル
小島編
17/32

静かな浜辺

「ねぇ、ドラゴぉ…そろそろお尻が痛くなってきたよ。どこかで休憩できないかなぁ?」


ばったりとドラゴに倒れ掛かり、フウライが弱音を漏らす。代わり映えしない景色に少し飽きてきてもいるのだろう。


「まだ半分ぐらいしか飛んでないぞ。人間とはこうも弱いものなのか…」


後半をつぶやくように言うドラゴは、人間の脆弱さに困惑した。


ふと、フウライの目に小さな島が映った。浜辺にいる子供のような影が、いくつか、こちらに向かって手を振っている。


「ドラゴ!ほら、島だ!子供たちが手を振ってる!あそこで休憩しようよ!」


ううん、とうなるドラゴ。


「……気が進まんな」


「でももう、疲れて無理だよぉ」


泣き言をいうフウライに折れ、ドラゴは小さく息をついた。そして、ゆっくり旋回して浜辺に向かう。


浜辺に降り立つと、わぁっと子供たちが駆け寄ってくる。


「わぁ、かっこいい!ドラゴンだ!」

「お兄ちゃん、ドラゴンを飼ってるの?」

「おっきくて、つよそうだねぇ」


飼われている、といわれたドラゴは顔をしかめるが、おおむね誉め言葉と受け取ったフウライはうれしそうだ。


「そうだよ、とっても強くて、頼りになるんだ!」


胸を反らせ、ドラゴに目をやりつつフウライも一緒になってほめる。

ドラゴはしかめていた顔をフッとほどき、目を細める。


浜辺の向こうの家から、年長の子供が一人こちらに歩いてくるのが見えた。


「島へようこそ。お客様ですね。お疲れでしょう。村長に知らせてきますから、少し待っててくださいね。」


二人にそう言葉をかけると、踵を返して走っていった。


「すごく、ちゃんとした、子だね」


少し困惑した様子のフウライが、ドラゴに戸惑い気味に言葉を投げる。


「そうだな、漁村にしてはな」


漁村か…今朝まで滞在していた漁村を思い出す。ずいぶんと違う…あたりを見渡すと、浜辺の向こうには子供が出てきた家に並ぶ、数件の家。古いが壊れているわけではない。網や樽も置かれているが、今まさに使われている様子はなかった。


「静かでいい島じゃない?」


ドラゴは答えず、村の奥と潮の流れを見ていた。


「ねぇねぇ!」


村の様子に気を取られていたフウライは、子供たちに引き戻される。しばらく子供たちをあしらっていると、少し弱弱しい様子の、年配の男性を連れた子供が帰ってきた。


「ようこそ。この島に客人とは珍しい。さぞお疲れでしょう。先ほど歓待の準備を整えるよう言ってきましたから、どうぞこちらへ。」


漁村、とは思えない丁寧で頼りなげな口調で二人を誘う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ