表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドラゴとフウライ ― 旅の先にあるもの ―  作者: ナナマル
バイト編
13/32

湖の上の仕事

湖全体が見えたころ、フウライは少し上体を起こし、目だけで周りを眺め、体に吹き付ける風を楽しんでいた。

湖の手前、小振りな泉の上空でゆっくり羽ばたく。


「どうしたの?」


「汚れた容器のまま湖に入れるわけにはいかんからな。この泉は”洗う用”の泉だ」


「そんなのあるんだ!」


井戸で水をくむときってどうしてたっけ…そんなことを考えながら、ジャブジャブと容器を洗うドラゴを待った。


「意外とちゃんとしてるんだねえ。というか、ドラゴはなんでそんなことまで知ってるの?」


「意外ととは何だ。ドラゴンはそういうものだ。知っているのは…教えてもらったからだ。」


わかったような、わからないような、そんな答えにフウライはふうん、と言いながら、それでも特に追及するようなことはなかった。

ゆっくり上昇し、いよいよ湖の上空へ入る。と、フウライは目の端に何かをとらえたのに気づき、そちらへ顔を向けた。フラリ、とドラゴがよろめく。だが、向けた先は静かな湖面があるだけだった。


「どうした、フウライ。」


「あ、ごめん…なんか、いま、キラって光った気がしたんだけど…」


「朝日が当たったんだろう。飛んでいれば光の加減でそんなこともある。」


そんなものか、と思い直し前を向く。


――あれは、青の宝か。我らを見て姿を現したか。

青の宝。ドラゴンが”人間のために”残した宝。自分には関係ない、人間だけに作用する宝だ。どう使うかは人間次第――


湖の中頃、ドラゴはゆっくり羽ばたいて下降し、容器を沈める。いっぱいになったところで上昇し、復路を羽ばたいた。その頃には空の旅が楽しくなったフウライ。


「ねぇ!もっと早く飛べる!?」


すっかり上体を起こし、片手で鎖を持つ勇ましい姿はまるで乗馬だ。


「ああ…まあ…飛べるが…」


往路はあんなにへばりついていたのに…やれやれ、といった調子で少し羽ばたきを強くするのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ