リーファ、魔女の依頼を受ける
「確かに、普通の奴なら見分けなんてつかんじゃろうなぁ」
得意気な顔をして俺に話しかけてくる辺り、何か見分け方でもあるんだろう。分かりやすい子だ。聞いて欲しいんだろうな。俺も生息地で見分け方があるなら参考までに聞いておきたいくらいだ。
「普通ならって、見分ける方法でもあるのか?」
「伊達に魔女をやっとらん。 鑑定スキルくらい持っとる。 お主がイカサマしようものならこの鑑定スキルで一発よ」
マチルダの両目が赤く光を帯びている。確かにあれは鑑定スキルだ。
「ああ、なるほどね。 確かにそれがあれば色々な情報が分かるな」
魔女なら神の贈り物を幾つも持っていてもおかしくはない。歴史に名を残したバーバラ・アーロンは幾つものギフトを持っていたとも言われるしな。
「それで魔素濃度の高い薬草を使うことで、通常では出来ない中級ポーションを錬金術で作る事が出来るんじゃな。 我は天才じゃから魔法は使えなくても知識は豊富にあるんじゃ」
「へぇ。 魔素の濃度で薬草の効果が変わるんだな。それは俺でも知らなかったよ」
見事なドヤ顔だな。
でも、あれだ。この子は構ってほしいんだろうな。魔女でありながら今まで魔法も使えずに、冒険も出来ず、目立たないように暮らしてきたんだろう。スキルもそうだが、おそらく公に出来ないんだろう。だからこうして、小さな仕事をして小銭を稼いでいるのだろう。
身体の事もそうだが、特異体質のせいで普通の恋愛も出来ずに生きてきたんだろうか。何だか想像したら可哀想に思えてきたな。
「それに凄いな。 珍しい鑑定まで出来るのか。 流石魔女だ」
「じゃろ? 他にも色々あるぞ。 便利なスキルから人に言えんようなスキルまで」
「そうか、見てみたいが、それはまた今度にするよ」
「なんじゃ。 言えばいくらでも見せてやろうと思っとったのに……」
「リーファ。 どうする? よければ受けるが………」
俺だけの問題じゃない。後はリーファが魔女をどう思っているかだな。人間もそうだが、魔女はエルフの王国すら滅ぼそうとした過去がある。話すだけなら善人のように見えるが、本心じゃない可能性だってある。ギルドはあくまで仲介しているだけであって依頼主が善人か悪人かまでは把握しきれないところがあるからだ。依頼した内容と危険度の食い違いがあって揉める事はよくあることだ。
今回のケースだってDランクから受けれる内容にはなってはいるが、全くもって割に合ってない仕事だからな。
「いいよハイケル。 私も魔女さんが困ってそうだし、このクエスト受けてあげたい」
「おお!! 流石エルフの子じゃ!!」
まぁ、リーファのことだからそう言うと思ったよ。俺の事もあるし受ける事にするか。
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