頭のいい子リーファ
あれから4日が過ぎた。リーファはここでの生活に少しづつ慣れてきたのかな。 王都レガイアの街に一緒に出かけた時、大人しいリーファが珍しく欲しそうな顔をしていたので本を何冊か買ってあげたのだが、帰って来てからというものの、まるで本の虫にでもなったかように夢中になっている。
おかげで俺は少しの間、自由に動ける時間が出来たのでお互いにいいことなのだが、俺に見向きもしなくなると思うと、それはそれで少し寂しい気もする。
うーん。贅沢な悩みだ。
本当は買ってきた時に読めないだろうと思い、リーファに読み聞かせてあげようかと思ってはいたが、リーファは「これくらい読めるもん」と唇とムッと尖らせてきたので俺はそのまま本を渡したのだが、本当にすらすらと読んでいることには驚いた。
数日前にリーファから年齢は9歳と聞いたが、このアーマリア大陸の王都レガイアでは読み書きができない子は多い。
だからこの年で少し難しい本まですらすらと読めるということはリーファの年齢を考えると余程教養がある親に育てて貰っていたか、若しくは貴族、王族の関係の者かと、ふといらぬ事を頭の中で考えてしまったのだが、リーファが話さないという事は、俺も今考えても仕方がないことだろう。
それに聞かないであげるのもおっさんの気使いの内だ。
それに知らない方がいい事もあるしな。
うん。考えない事にしておこう。
それと使える魔法などもリーファから色々教えて貰ったがどれも凄まじいものばかりだった。
生活魔法に攻撃魔法、防御魔法、回復魔法、補助魔法、支援魔法と、とても9歳の女の子が覚えて扱える代物じゃない事だけはおっさんの俺にでも直ぐ理解出来る。
特に「風魔法はリーファ得意だよっ!」とリーファ自ら自慢していた。アイテムボックスに他の魔法も多種多様に使えるとは最早賢者クラスじゃないか。
ほんと俺みたいに剣の才能が少しと他には魔法が多少使えるだけの凡人とは全然違うな。
この子が魔法を使って敵を攻撃したらどうなってしまうんだろう。木っ端微塵にでもなるんじゃないか。
あれ、もしかして俺の現役の頃よりも既に強かったりして。いやいや、流石にそれはないはず。絶対にないに決まってる。
うん。ものは試しだ。リーファを連れてクエストに行ってみよう。少しの好奇心から俺はリーファに声をかけてみることにしたのだが
「リーファ。 これから俺は簡単なクエストに行こうと思うんだが、よかったら一緒にどうだ?」
「うん! リーファも一緒に行くっ!!」
わぁ。凄い食い付いてくるな。
こうして俺はリーファを試しにクエストに出ることにした。
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