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地に潜むアースドラゴン

 あれから俺達は気を取り直してエルム平原に向かっていた。

 ウェンツ君はおとなしくギルドに戻って行ったけど、彼ならおそらく支障はないだろう。一流の剣技、考えを持ち合わせている。 一人の俺とは違うからな。自分の見直さなければいけない点をしっかり見つめ、さらなる高みに登る努力をしていくことだろう。


 王都には大概の物は置いてある。馬や地竜もそうだ。昔から人間と深く関わりのある馬や地竜、ワイルドウルフは人間の手によって飼育され、飼い慣らされている。

 馬は維持費も安く、人懐っこい性格もあり荷物を載せたりなどして長距離移動に向いている。

 地竜においては性格にもよるが最速で移動できる。だがその反面維持費が高い事もあり短期で借りられる事が多い。

 ワイルドウルフはその中間の金額位で借りられ、馬並の速度で走り過信は禁物だが番犬的役割も担ってくれる頼もしい存在だ。

 リーファにどれがいいと聞いたところ


「ドラゴンっ!!」


 と返答があったので竜舎に行き借りた地竜で出発したのだった。


 リーファはドラゴンと言ったものの地竜はそんな大層な存在ではないんだけどな………


 地竜とは一見格好良い名前が付いていて強そうにも思えるが、実は名ばかりで大きさは馬ほどしかなく、顔も小さいので獲物を狩るにも小動物くらいしか狩れない最弱な部類の竜種だ。そのうえプライドが高く扱いにコツがいる。オッサンの俺には少し苦手な乗り物なのだ。


 まぁ、リーファが楽しそうに乗ってくれてたからよしとするか………


 王都から出て3時間ほど走っていると街道はなくなり辺り一面平原に変わる。流石地竜、移動だけなら最速だ。ただ乗り心地は最悪だけどね。

 ここからは危険な魔物が多く出る区域に変わる。王都近郊は当然の事だが騎士団もいることから大型の魔物が出没することは少ない。だが人の手が全く加わっていないエルム平原は中型の魔物や大型の魔物まで多数存在する大自然そのものと言ってもいい。


「リーファ、エルム平原に着いたよ。 ここからは油断しないように」

「うん。 分かったハイケル」

「気配察知はできるかい?」

「うん。できる」


気配察知(サーチ)……』


「大分向こうに大きい反応が2つ。 周りにも小さいけどもいくつか反応ある」

「大きい? どれくらいかな。 アースドラゴンは二十メートルくらいあるからかなり大きいよ」

「うーん……多分それくらい」

「そうか。 なら行ってみよう。 偉いぞリーファ」

「えへへ。 私頼りになる?」

「なるなる。 リーファがいなかったらもっと時間かかってたよ。 ありがとうな」

「うんっ!」


 実はというと俺も気配察知(サーチ)を使える。魔法は得意ではないが、数少ない魔法の中で基本魔法くらいは覚えている。

 魔法と言えば魔道士の専売特許みたいなところがあるが、生まれつき魔力が多い魔法使いは効率のいい杖、魔石を埋め込んだ特殊な触媒を介して魔法を唱えているだけで、大分効率が悪くなるが使おうと思えば使えるのだ。

 ただリーファみたいな特殊な存在を除いては。

 リーファはエルフだ。 人間と違いエルフは生まれながら魔力量が人間の比ではない。

 精霊に限りなく近い種族だからだ。人間ほど力はないが、森の加護を受け森の中では限りなく無敵の強さを発揮する人間の上位種族と言っても過言ではない。


 無用な闘いは避けながら目的地に向かうが、あれから結構走り続けている。もしかして俺も気配察知を使った方がよかったか?言われるまま向かっているが心配になってくるな。


「リーファ。 大分走ってるけどまだかな?」

「後少しだよ。 ほらあそこの岩に見えるところ」

「ん? あれか?」


 見ると大分向こうに岩と思われる大きな物体が見える。あれがアースドラゴンとでもいうのだろうか? もしそうだとしたら気配察知(サーチ)した場所から5キロ以上離れたところから感知していた事になる。


 いや………どんだけ広範囲を探れるの? 高位魔法使いでも2キロくらいが限界だよ………


「ほらいたっ!」

「あ………ほんとにいる」


 地竜を歩かせて、目的地に到着した俺達は離れた岩陰に身を潜めた。


 いやいや、戦う前から参りましたよ。

 どんだけ魔力あるの?魔力の波動を薄く伸ばすにも限度ってものがあるでしょう?


 おじさん戦う前から度肝抜かされてるんだけど……






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