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闘いを終えて

「今は娘がいるんでね。 娘の為にも家を長期にかけて空ける訳にもいかないから。だから今は気ままにクエストをしていくつもりだよ」


「そう………ですか。 あなた程の剣士が上にいれば私達も心強かったのですが…………残念です。いずれまた同じところまでくることを待っていますよハイケルさん」


「ああ…………ありがとうウェンツくん」

「では……………」


 一礼をしてウェンツ・クラネルドは去っていった。格下ランクの俺を相手に何とも律儀な人だ。だが、あの姿勢が彼をSランクまで上らせたのかもしれない。

 俺のような腕っぷしだけで伸し上がった奴は本当に井の中の蛙だった。もっと周りを頼っていれば、上手く立ち回っていれば、俺もあそこに到達出来たのだろうか?そんな事をふと考えてしまう。


 いかんいかん。 黒歴史の過去を思い出しても今となってはしょうがない事だろう。


 それに彼の剣技は一対一を想定していない。強力な仲間と共に初めて完成するのだろう。

 魔物と戦うことを想定した陣形を組み、盾役のバレーノ・オーガスタがヘイトを集め攻撃を防ぎ、支援魔道士のコロニ・ダイアルバフが強力なバフと共にウェンツ・クラネルドは更に強くなり攻撃に集中出来るようになる。そこから放たれる剣技こそ彼の真骨頂なのだ。だからこそ勝ったとも思ってはいない。

 自惚れるな。一人でやれる事なんて所詮限られている。そう昔の自分に言い聞かせるように俺は剣を鞘に戻した。


「ハイケル強かった!!! かっこいい!!」

「あ………ああ。 何とかね、防ぐ事で手一杯だったけどね。 でも、たまには俺のいい格好いいところを見せる事が出来たかな?」

「見れた!! 超強かった!!」

「カッコよかったわ。 あなた」


 興奮し気味な二人が話かけて来たが、俺の手は少し痺れていた。軽いと感じたとはいえ流石Sランク冒険者だ。

 あそこから更に研鑽を積み、肉体の振れと剣撃の強化を極めていったらそれこそ無敵と言っても過言ではないだろう。

 (はな)から俺の時代なんてものはなかったが将来が楽しみだと俺は思った。




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