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ヲシリが征く【少年期編】  作者: そうじ職人
第二章 和邇一族の陰謀
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第27話 どんなお話にも最終回は必要?

このお話は、夢落ちにしたくは無いので、IFの世界線とお考え下さい。

解決編までは、あと少しお時間を頂ければ幸いです。


よろしくお願いします。

 俺は今回、どこで間違いを犯してしまったのか?自らの分水嶺について、思考していた。


 山門やまと國の巫女サグメは捕縛して、尋問を目前にしながら、再度取り逃してしまった。


 和邇ワニの一族の長であるシヲツチは、顔見知りの者達を全て切り捨てた。

 暗殺の件は、()侍従ワザヲキを顔見知りであることを認めた上で、それ以外についての全てを()侍従ワザヲキの仕業として切り捨てた。

 ワザヲキも言い逃れ出来ない証拠を前に自供したが、シヲツチの関与については完全否定、或いは黙秘を貫いた。


 御子ミノタロに対する美人局つつもたせの件では、新妻のトヨタマですら切り捨てた。

 この件では、不義密通を仕出かしたトヨタマこそに罪が有り、自らを被害者であると言い逃れた。

 肝心のトヨタマすら、自身が切り捨てられたことを聞いても、一切の黙秘を貫いた。

 尋問にミノタロが加わっても、その態度を翻すことは無かった。


 押収した品から証拠は見つかった。

 しかしこの時代の書簡に、差出人も宛先もない。

 この書簡もまた、ワザヲキの仕業であると言い逃れてしまった。


 その上で財産の保全と原状回復に関して、商家ワニとしての存続を逆に求めてきた。

 場合によっては、宗主国である山依やまゐ國による圧力すら匂わせて、逆に脅迫してくる始末であった。


 私室に戻ると文机に向かって、何が失敗だったのか?俺は頭を抱えていた。


 フッと気が付けば、引き出しにしまい込んだ“《《あの》》書状”を手に取っていた。


伊都いと國の接問処せつもんこにて待つ』


 宗守そうもりウズメとの一方的な、二年後の約束事に思いを馳せていた。


(このデートのお誘いに応えることは出来なくなったな…)


 それと同時に、俺の生きている意味…生きていて《《良い》》理由を、完全に失ってしまった。

 この状況下に於いて、俺が伊都国に置かれた一大府いだいふに出仕するのは、自殺行為と何ら変わることがない。

 きっと直ぐに暗殺の手が及ぶのは間違いがない。


 俺は大きく溜息を吐くと、再び深い深い思考の闇に、溺れて行くのであった。



◆    ◇    ¿FINE?    ◇    ◆

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