表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

 見知らぬ誰かの優しさに甘え、逃げてたのかもしれない。




 一週間が経ち、再びあの教室に講義を受けに行きました。

 いつもの席に座り、鞄を置き、私は机に目を向けます。

 ありました。もしかしたら、別の人がいたずらに書いたものかもしれません。しかし、そこには確かに私への返事が追記されていました。

 一体全体、どのようなことが書かれているのでしょうか。返事をいただいたことに嬉しさを覚えはしたのですが、彼の人はここに‘死にたい’と残した人、不安も多々あります。

 一つ深呼吸をして、私はそれを読み始めました。


『見知らぬ人、あなたは僕の話を聞いてくれるのでしょうか。僕が‘死にたい’と感じたその理由を、人に知らしめすことがなかった僕の思いを。面白い話ではありません、ただあなたが不快な思いをするだけでしょう。それでも聞いてくれるのでしたら、続きに目を通して頂きたいと思います。』


 彼の人の言葉はここで一度区切られていました。少し空欄を挟んだ所から続きが、彼の秘めた思いが綴られているようです。

 私は、これを読んでもいいのでしょうか。彼は非常に辛い思いをしている、それくらい私にもわかります。


 見知らぬ人である私が、彼の心を覗いてもよいものでしょうか。


 友人や家族、誰にも打ち明けていない彼の思い。それなのに、彼は私に心の内を書き綴った。

 私に何かを求めているのでしょうか。何かが出来るのでしょうか。

 何もわかりません。しかし、もし、彼に何か意図があるのなら、私はそれに応えたいと思いました。


 私は、続きを読み始めました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ