二
見知らぬ誰かの優しさに甘え、逃げてたのかもしれない。
一週間が経ち、再びあの教室に講義を受けに行きました。
いつもの席に座り、鞄を置き、私は机に目を向けます。
ありました。もしかしたら、別の人がいたずらに書いたものかもしれません。しかし、そこには確かに私への返事が追記されていました。
一体全体、どのようなことが書かれているのでしょうか。返事をいただいたことに嬉しさを覚えはしたのですが、彼の人はここに‘死にたい’と残した人、不安も多々あります。
一つ深呼吸をして、私はそれを読み始めました。
『見知らぬ人、あなたは僕の話を聞いてくれるのでしょうか。僕が‘死にたい’と感じたその理由を、人に知らしめすことがなかった僕の思いを。面白い話ではありません、ただあなたが不快な思いをするだけでしょう。それでも聞いてくれるのでしたら、続きに目を通して頂きたいと思います。』
彼の人の言葉はここで一度区切られていました。少し空欄を挟んだ所から続きが、彼の秘めた思いが綴られているようです。
私は、これを読んでもいいのでしょうか。彼は非常に辛い思いをしている、それくらい私にもわかります。
見知らぬ人である私が、彼の心を覗いてもよいものでしょうか。
友人や家族、誰にも打ち明けていない彼の思い。それなのに、彼は私に心の内を書き綴った。
私に何かを求めているのでしょうか。何かが出来るのでしょうか。
何もわかりません。しかし、もし、彼に何か意図があるのなら、私はそれに応えたいと思いました。
私は、続きを読み始めました。