告白と下校
前回の続きです。
誤字脱字あるかもですが、ご了承ください。
「じゃあハヤテくん、私と付き合ってみない?」
「………え?」
………一旦落ち着いて、状況を整理しよう。
俺は、放課後の教室に、携帯を取りに戻ってきた。
そこに、たまたま椎名さんも、教室にノートを忘れて、取りに来た。
2人だけならと、椎名さんに声をかけてみた。
そしたら、椎名さんがアニメ好きだと知った。
お互いにアニメ好きな事がわかった。
………そしたら、付き合わない?と言われた。
「?????」
俺は、後ろに一歩引いてから、椎名さんに質問してみた。
「本当に?」
「本当に!」
「嘘じゃなく?」
「嘘じゃないよ?」
「ドッキリじゃなく?」
「もう皆帰ったよ?」
「………それもそうだね。」
「聞きたいことは終わった?」
「とりあえずね。」
「それで、どうかな?私と付き合ってくれるかな?」
「………本当に俺でいいの?俺めんどくさがりやとかだよ?」
「そんなの大丈夫だよ。そうじゃなきゃ、こんな事言わないよ?」
「………それじゃあ、………よろしくお願いします。」
そう言って俺は、椎名さんに、少し頭を下げた。
そう言うと、ずっと不安そうな表情だった椎名さんの顔が、笑顔になっていった。
「こちらこそ、よろしくね。」
そう言って、俺の手を握って、上下に何回も振り始めた。
(平和で静かな学校生活を送る予定だったのに、彼女が出来てしまった。)
俺は、そう思いながらも、笑顔でこっちを見ている、彼女を見て、少し笑ったんだと思う。
「あっ、ハヤテくん笑った。初めて見たかも。」
そう言われるまで、俺は、自分が笑った自覚がなかったからである。
満足したのか、俺の手を離してから、椎名さんが質問しいてきた。
「ハヤテくんは、今日は何か予定あるの?」
「まぁ、今から、ゲーム買いに行く予定だけど。」
「そうなの?じゃあ一緒に行っても良い?」
「えっ?………良いの?椎名さんの予定とかは?」
「今日はこのまま帰る予定だったけど、ハヤテくんと一緒なら、ハヤテくんの行きたい所、一緒に行きたいなぁ。」
そう言われて、俺は椎名さんになんとなく質問してみた。
「………やっぱり、アニメショップとかって、1人で行ってた感じなの?」
「ほとんどそうだね。中学生の最初の頃は、友達とかと行ってたけど、どんどん皆行かなくなって、誘っても断られたり、逆に、カラオケとかに誘われたりね?………そういうことから、次第に1人で行ってた感じだね。」
「まあ、なんとなくわかるよ。最終的に、自分から誘うのも、恥ずかしいとか思ったりする事。」
「そうなの?」
「………なんとなくだけどね。」
「だから、誰かとアニメショップ行くとか、凄い久しぶりなんだよね。凄い楽しみだよ。」
「………それじゃぁ、とりあえず行こうか。」
「うん。」
そう言い終わって、2人で教室を出た。
教室に、生徒がいなかっただけで、運動部の姿や、吹奏楽部などの音楽は聞こえてくる。
初めて、同年代の女性と歩いてる。しかも2人で…
凄い校門が遠く感じる。
……………なんてものは、とにかく置いといて、
今、1番気になるのは、先程、部活に向かった健吾の存在だった。
おそらく、まだ部活体験してる可能性が高い。
この状況を見られたら、夜にでもめちゃくちゃ言われるなぁ。その場合どうしよう………
そんな事考えながら、健吾を探していると……
「ハヤテくんどうしたの?さっきから、すごい首が左右に動いているよ?それに深刻な顔してるし、何か捜し物?」
「あっ、ごめん。健吾がいるかもと思って。」
「橘くん?」
「健吾は身体とか動かすの好きだから、入学式の次の日から、毎日運動部に部活体験に行ってるんだよ。さっきも椎名さんが教室に来る前に、教室を出ていったばかりだから、まだ学校に入ると思うし、もしこの状況を見られたら、今日の夜に何を聞かれるか想像したくないし。」
「この状況って?」
「俺が、クラスの女子と一緒に下校してるところ。」
「女子が一緒だと何か問題あるの?」
「絶対に面倒な事になると思う。」
「それはどうして?」
「普段からめんどくさがりや俺が、急にクラスの女子と2人で下校してたら驚くと思う。」
「驚いたら、どうなるの?」
「今日の夜のゲーム中に絶対にこの状況を問われる。」
「そうすると?」
「絶対にいじられる。」
「………それがイヤなの?」
俺は少し考えてから、椎名さんに聞いた。
「………今日の夜にでも、この状況の事が話題に出てきたら、椎名さんと付き合うことにしたって、言ってもいい?」
「えっ?………言うのは良いけど、橘くんには正直に言っていいの?」
「あいつの場合、こういうのは、早めに伝えるのが1番いいと思ってるから。」
「ハヤテくんがそう思ってるなら良いんじゃない?そこは2人の関係に任せるよ。」
「わかった、ありがとう。」
「お礼言われる事は何もしてないよ。それはそうとそろそろ学校の門に着くけど、どうだった?」
「とりあえずは、健吾は見かけなかったかなぁ。夜までは油断できないけど。」
「そうじゃなくて………」
「えっ?」
そう言うと、椎名さんは俺の顔をきちんと見てからこう言った。
「短いけど、長かった気がする。そう思える私とハヤテくんの初めての学校デートの感想だよ。」
「えっ?………あっ、………それはその………」
「私と一緒に歩いてるのを紛らわせるのも含めて、橘くんを探してたんだよね?」
「………それも少しあるけど、健吾を探してたのも本当だよ。」
「………と言うことは、少しでも、私と一緒に歩いてるのを意識してくれてたんだね。嬉しいなぁ。」
そう言われたら、自然と顔が赤くなったらしい。
慌てて椎名さんから顔をそらした。
「あれ?ハヤテくん。顔が赤いよ?照れてるのかな?」
「そりゃあ、椎名さんクラスで人気者だし、入学式の自己紹介から気になってたし、普段から活発的で素敵だなぁって思ってたから。」
「そっそうなんだ」
俺の話を聞いてる椎名さんは顔が少しずつだが赤くなっていた。だが俺は、それには気付かずにまだ喋り続けていた。
「その椎名さんが、アニメ好きだって知って以外だけど嬉しかったし、それを切っ掛けにこうして付き合うことになって、驚いてるけど、凄い嬉しくて、これ以上ないくらいに幸せで………」
「待っ………待ってハヤテくん」
「椎名さん、どうし………」
そう言いながら、振り向くと、椎名さんの顔がすごい赤くなっていた。
「もう、気持ちはわかったから………それ以上言わなくて大丈夫だから。」
「ごっ………ごめん。言い過ぎた。」
「ハヤテくんも顔真っ赤だよ?」
「椎名さんだって真っ赤だよ。」
そう言うと、数秒たってから、2人で笑いだした。
数秒の間、笑ったあとは、俺から椎名さんに、
「そろそろ行こっか。」
「うん。行こっか。」
学校を出てから、数歩歩いて、椎名さんがこう言った。
「今度は駅までの放課後デートだね。」
笑顔で言って来る椎名さんに、俺は………
「………そうだね。」
俺も少し笑った顔でそう答えた。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
本当に、書く時間が無く、投稿するペースは、
これからも、遅くなると思います。
それでも、読んでくれる方たちがいて、感謝でしかないです。
次の話もゆっくり作成するので、温かく見守ってください。