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そんなこんなで、魔法の勉強などをやりつつ
魔道具“電卓”など、フリージアは習得していったのだった
プリシア商会の会頭邸宅には穏やかな日々が送られていた
でも、そんな穏やかな日々が崩れ去るなど誰が想像しただろうか…
実はパニカムには再婚の話が持ち上がっていた
フリージアの歳を考えパニカムはずっと断り続けていたのだ
ただ、プリシア商会に所属する商店は多数あり領土もあちこち跨っているので
本来1年中自宅で仕事とはいかないのだ
母ジャスミンが生きていた時は月の半分は家を空け、問題が起きればあちこちに
飛び回っているのが普通だったのだ
フリージアの物分かりの良さは前世の記憶持ちということもあり
パニカムも悩んでいたのだ
このままクロムウェル達に任せて独身で仕事とフリージアの為に生きること
再婚して、フリージアを寂しくさせないように後妻でも自宅に居て貰う
ただ、これには再婚相手がフリージアと仲良くならなければならないという
大前提がいるのだ。
パニカムはジャスミンより愛せる女性がこの世に居るとは思っていない
そんな気持ちでフリージアの事が一番の自分が後妻を娶り
その女性が幸せだとは到底思えなかったのだ。
そんな悩みを抱えつつ、毎日のように届くお見合いの紹介書にウンザリするのだった。
夜の書斎にて…
「よくもまぁ、飽きずに断られても断られても…」
「パニカム様の財力が目的かと…」
「クロムウェルもそう思うだろう」
「パニカム様は兎も角、私共家臣はフリージア様が笑顔ならなんだっていいのです。」
「主の扱いの軽さ」
「あなた様がそのような方だからこそですよ。
皆、主が幸せになることを望んでいますよ。」
「とりあえず。断ってくれ。縁があるならそのうち何処かで出会うだろう。」
「明日お嬢様に話すのですね。これからは出張されることを」
「ああ、フリージアも小学部に入学することだし
これからは長期休暇のみここに戻ればフリージアとも今まで通り生活できる。
王都の学校へやるのは非常に心配なんだがな…ああ、離れたくないな…。
辞めようかな…。はぁ」
「決意はどこへ行かれたのですか?」
「あの子と離れるなんて…入学式までは絶対一緒にいるからな!」
「お好きにどうぞ。」
「お前だって寮にはついて行けないんだからな」
「私はお屋敷の管理をしながらお嬢様の影となるのですよ。」
「ったく羨ましいぜ。」
「魔術の勉強を怠った主がいけないのですよ。」
「ギフトの差だろう、魔力特化のギフト。今は異常に妬ましい。」
「旦那様、寮に一緒に連れていく侍女はどうするのですか?
マリーとランジアどちらにしますか?」
「ランジアの方が安心なんだが屋敷の事もあるからマリーにしようかと思っているよ。」
「確かにランジアに居なくなられては屋敷が心配ですね。」
「クロムウェル、ランジアに全て任せてはいけないよ。
きちんと役割分担してくれな。ランジアに辞められては困る。」
「もちろんでございます。唯一私を叱ることのできる女性です。」
こうして夜は更けていったのだった。
ちなみにこの世界は領土にある小学部は無償で通うことができる。
王都の学校は別である。
王都の学校は寮制度で、長期休暇のみ自宅へ帰り
あとは学校と寮で生活するのだ。
もちろんお金がかかる。
半数は貴族
あと約半数は商家などお金持ちの子どもだ
残りの数%の子どもは将来有望枠として無償入学が許される
学びたいことがある限り、中学部、高学部へと進むのだった。
進級は学力の到達度
ずっと中学部から抜け出せず、お金を払い続ける貴族も沢山いるのだった。
フリージアは無償入学枠だった。
別に有料枠でもパニカムは困らないのだが、王立ホワイティア学園より直々に書状が届いてしまったのだ。
チートギフトのせいである。
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