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悪夢のはじまり3

いつもより早い時間に準備のできた俺は、眠りこける一ノ瀬を放置して食堂へ向かう。人がいない時間にゆっくりと食べる朝食は美味しい。天気もよくて、なんだかいいことが起きそうな日だなんて柄にもなく思う。



その日は実際にいい日だったのだ。

英語のリスニングが好きな映画だった。体育のミニゲームで勝てた。嫌いな地理の授業が自習になった。

ちいさな幸運が積み重なって、放課後の俺はなんだか気分が良かった。

上機嫌だったので積極的に周りに親切にしようと思った。



放課後、特にやることもなく寮の部屋に戻ろうとした俺の目に、校舎の外で鳥が何かに集ってる様子が飛び込んできた。お節介なモードになっていた俺が外に出てみると、子猫が襲われていた。



「おい、この猫にかまうな!さっさと散れ!」



怒鳴りながら近づいていくと、鳥たちが逃げるように飛び去った。

子猫は目立った怪我はしていなかったが、なにやら様子がおかしい。頭を抑えて震えている。普通の動物というより、アニメにでてくるマスコットキャラクターのような動きであった。不自然な猫の行動に首を傾げつつも、用事が終わったのでこの場を去ることにした。子猫を撫でてみたい気もしたが、それを他人に見られるかと思うと躊躇してしまう。

他人の目が気になる臆病な性質は昔からだ。甘いものや小動物が大好きなのに、顔に似合わないからとつい遠ざけてしまう。

今回も悩みに悩んで何もせずそのまま寮へ向かった。




子猫に背を向けた俺は気づかなかった。

その猫がいきなり二足歩行を始めたことも。

「命の恩人には恩返しをしないと師匠に怒られちゃいますね!」などとのたまったことも…。



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