違和感だらけの新生活4
永遠に続いているようにも見える真っ白空間に優男が一人立っている。つい今朝見たばかりの光景をもう一度見る羽目になって、俺は心底うんざりしていた。
夢の中だからかさっきまで感じていた眠気や怠さなどは消え去っている。やっと考えがまとまるようになってきた。この男には色々と確認しておかなければいけないことがたくさんある。
「こんにちは宮永さん!今朝ぶりですね。お会いできて嬉しいです。ちょうど外から宮永さんのお休みになる様子が見えたものですから夢の中にお邪魔させていただきました。お昼寝日和なお天気ですね。師匠もお昼寝が大好きなお方なんですけど、」
「東雲。質問がある。」
「うわぁ人から質問されるのなんて久しぶりです。感激です。師匠も出会った当初は色々聞いてくれたんですけどね、最近は人間の姿の時には会ってくれなくなっちゃって寂しかったんですよ。ですから宮永さんの質問には精一杯気持ちを込めて気合い入れて答えさせていただきますよ!」
「俺が今朝目覚めたら女になっていたのはお前のせいか?」
「はいもちろんですとも。命の恩人である宮永さんへの恩返しとして『最高の呪文』を叶えさせていただきました。大がかりな魔法ですから魔力というかマナというかわかりやすくいうとMP的なものをだいぶ消費しちゃいました。奮発しました。」
頭が痛くなってくる。東雲の顔には全く悪意が見えない。
ただおしゃべりなだけじゃなくだいぶ思い込みの激しい性質のようだ。あまり関わりたくないタイプの人間だが最初に自分からガッツリ関わりにいってしまった。
こいつの師匠も子猫じゃなくゴキブリとかに変えてさえいれば、俺がこいつの命の恩人にならずに済んだのに。




