悪夢のはじまり10
これはなかなかに大きな問題かもしれないとひとりごちる。
脱ぐ前はかなり小さくて、あるかないかよくわからないと思っていた胸だったが、裸になると慎ましやかながらも明らかに膨らんでいた。
急に自分の身体が女になった実感が湧いてきて恥ずかしくなる。誰も見ていないのになんとなく両手で胸を隠した。…やわらかい。違う。そうじゃない。顔に熱が集まってくるのがわかる。余計卑猥な気がして手を胸から離したが、やわらかな感触が手に残り続けていた。
とりあえず服を着ようとするものの、いつもワイシャツの下に着ている肌着だけだと心許ない。
女子がこの歳になればブラジャーを着けていることは知っていたが、流石にそこまでは用意されていないようだった。それにブラジャーなどつけていたら自分が女だとすぐにバレてしまいそうだ。
仕方がないので下着については放課後にどうにかすることにして、今日は男物の肌着の上にそのまま制服を着た。ブレザーを脱がなければそうそう気づかれることもないだろう。
制服を着た俺は洗面所に戻り、鏡で自分の様子を確認する。
ブレザーの間から谷間が見えたりすることもない。きちんと男に見える。
問題があるとすれば接触した時だろう。今日が体育のない日でよかったと安心した。
大丈夫。きっとバレない。そう自分に言い聞かせて俺は扉をあけ外の世界へ足を踏み出した。
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