2/4
竜巻は家を飛ばした。
ドロシー視点。
竜巻は怖い。あれは大きくなると、容赦なく家でも飛ばす。
あなたは目の前でみたことがあるかしら。
見ればそのおそろしさがわかるだろう。あれの通った道を見るでも良い。
私は、それに家ごと飛ばされた。
ドン!!!
飛ばされてからどれ位経っただろう。ものすごい衝撃で、家が地面に着いたのだとドロシーは知った。
幸いなことに、ドロシーも、彼女の飼い犬のトトにも怪我は一つもなかった。
「トト、トト。
私たち、地面に着いたんだわ。」
家が逆さになって屋根から地面に着くこともなく、ほんとうにちょうどよく着地ができたようで、ドロシーはほっと一息をついた。
窓の外からは光が差し込み、景色から彼女の居たカンザスではないことが伺えた。
「私たち、生きているんだわ。」
彼女は、まだ半分信じられないようにそう口にした。