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最初の約束
ドロシー視点
わたしの名前は、ドロシー。
台風に飛ばされて、不思議な国に居る。
これは、現実的な私と私の大切な仲間との噺。
そして、幸せなオズの魔法使いの噺だ。
ハッピーエンド、それは約束しよう。
それを、きっと誰もが望んでいるはずだから。
わたしは、ドロシー。
わたしの望みは、カンザスへ帰ること。
「トト」
彼女は、彼女の飼い犬を呼んだ。
トトはくぅんと小さく返事をして、小さな黒い目でドロシーをみつめた。
「・・大丈夫よ。 私が居るわ。」
ドロシーはトトを抱えた。
トクン、トクン。
トクン、トクン。
彼の温かさが、彼の鼓動が、今はありがたかった。
ああ、アリス。教えて頂戴。
貴女がどうやって目を覚ましたか。
教えて頂戴。どんな突飛な事だって、やってみせるから。