表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/35

第一幕 冷泉院1

第一幕


役名 源氏

   冷泉院

   秋好む中宮

   惟光

   お市


(本舞台三間の間。平安の頃の嵯峨野。小さな庵。

藁葺の二重屋台。たんす、仏壇、衝立。中央に源氏窓。

板張り、床敷き数枚。上がり石、土間、格子窓、水瓶、

流し、おくどさん。藁葺引き戸入口。遠見浅黄色山並み。

畑。切株まき割りなど道具収まる。


上手仏間に源氏端座し読経。作務衣。

惟光、外でまき割り。お市、土間にて賄こなし)


源氏 妙法蓮華経方便品第二 爾時世尊 従三昧 安詳而起

 告舎利弗 諸佛智慧 甚深無量 其智慧門 難解難入

 一切声聞 僻支佛 所不能知 所以者何 佛曾親近

 百千萬億 無数諸佛 儘行諸佛 無量道法 勇猛精進

 名稍普門 成就甚深 未曽有法 隋宜諸説 意趣難解

 舎利弗 吾従成仏己來 ・・・・・・


(まき割りをしていた惟光が駆け込んで)

惟光 どなたかこちらへお見えのようです。あの牛車は

 冷泉院と思われます。

源氏 (読経止め)ふむ、息子か。今まではこうして気楽には

 会えなかったものなあ。十日とあけずにやってくる。


(源氏は入口戸に目をやり思い入れ。もうほとんど目は見えま

せん。惟光は院を迎えに行きます。お市が源氏の手を取り立た

せたまま直綴に着替えさせます)


源氏 そこもとは名を何と申す?いつもああとかおおとかでは

 呼びづらいよの。

お市 (すごいしわがれ声で)お市と申します。

源氏 おいち?のちの世にどこかで聞いたような名じゃのう。

 朝餉の若竹はうまかった。あれは?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ