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あらすじ3
天空から二人は孫の匂う宮と実子薫とをけなしたり
励ましたりして地上の展開を見守っています。
若い二人のはざまで浮舟が入水の時には天空の二人
はまた取っ組み合いになります。
記憶喪失になって浮舟が生きていることが薫に知らされます。
薫は浮舟の末の弟を連れてそっと尼寺を訪れました。
「どこかで見かけたような気もしますが。お人違いでしょう」
そう言って出家した浮舟は手渡された文を押し返します。
天空の二人はそれを見て大きく溜息をつきました。
「諸行無常 是消滅法 消滅滅己 寂滅為楽」
の声が天空に響き渡ります。