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第四幕 夕霧1

役名

   源氏

   夕霧

   惟光

   お市


(幕開き暗転の中唄が聞こえます)


唄 〽 あだしのの おいたるげんじ おぼろづき

    わかなわすれそ かしわぎのきみ


(源氏の読経が聞こえます。徐々に明転)

源氏 一心欲見佛 不自惜身命 時我及衆僧 倶出霊鷲山

 我時語衆生 常在此不滅 以方便力故 現有滅不滅

 餘國有衆生 恭敬信楽者 我復於彼中 為説無上法 ・・


(本舞台三間の間 嵯峨野の小さな庵 藁葺の二重屋台

箪笥 仏壇 衝立 床敷き 源氏窓 上がり石 水瓶 おくど

遠見茜色山並み 薄 畑など秋の装いよろしく 道具収まる)


(源氏、仏壇の前に端座し読経しています。お市賄い。

惟光は畑を耕しています。鍬の手を止め背伸びをし遠くを窺い)


惟光 雲隠様、近衛大臣がお越しのようです。


(源氏、読経をやめてうなづきます)

源氏 夕霧か。

(ト立ち上がり居間の床敷きに座ります。そこに狩衣姿の夕霧が現れます)


夕霧 親父殿、お勤めのところをお邪魔いたします。

(ト内に入り床に上がり座ります)


源氏 ふむ、今日は誰もおらぬ。ゆるりとするがよい。

夕霧 今日は父上に母や友のことを詳しく聴きに伺いました。

源氏 葵上。友とは柏木のことか?

夕霧 御意にございます。

(ト源氏を睨みつけます)


源氏 まあ、今日はゆるりと語ろうぞ。


(お市が膳を運んできます。源氏は思いめぐらしながら手探りで徳利と盃を

手に自酌します。夕霧は黙って見ています。)

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