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ボクにヨーカイ  作者: キーム
第二章~変身~
8/9

2-7

光が全て体に消え、手には刀が握られていた。刃は夕焼けを反射して明るく輝いていた。


「変身ってこんなもんなのか」


 今の状態は変身済みなのだろうか。変わった事と言えば、刀が出てきたのと、髪がより左に流れたくらいか。


「天照さん、これで終わりなのぉ」


 試しに聞いてみた。


「うん、初めてにしては上出来だよ。ボク何て最初は猫耳だけだったよ」


 耳だけあっても仕方ないしな。刀があるだけ良い方なのかな。


 変身の出来を確認している隙に網切りが突進してきた。普通なら切り裂かれていただろう。だが今は違った。相手が動き出す瞬間、空気というか気配を感じ取ることが出来た。


 網切りの突進をすかさず回避した。見た目は変わっていないが変身の効果は確かにあった。これなら倒せる。そう確信した俺は刀を構えた。


「さあ、来い変質者」


 網切りを挑発すると、また中に浮きながら突進して来た。


 刀を真上に振り上げ、網切りの下をくぐるように振り下ろした。振り下す刀と突進がぶつかると、相手の頭から胴体、尻尾まで刃が進んで行き真っ二つに切り裂いた。

 半分になった網切りは地面に落ちると光となって空に消えた。それを見て安心すると、急に腕に力が入らなくなり持っていた刀を落としてしまった。


「刀ってこんな重いんだ」


 刀は光の塊になり、みるみる形を変えて行き烏天狗が現れた。


「なかなかの腕前でござったな」


「すっごく良かったよ」


 二人とも誉めてくれたが、腕がプルプルだ。腹も減ったし。ラーメンでも食い行こうかな。


「天照さんも一緒に行く? ラーメン」


 天照さんは少しうつむいてしまった。一人では寂しいので誘ってみたけど今日初めて話した女の子にラーメンってのも駄目だったかな。


「ごめん、やっぱいいや」


 俺は歩き出した。


「あっ、待って行く。絶対行く。ラーメン大好き、ていうかボク、君の事……、って、ちょっと、待ってよお」


 すでに遠く離れていた俺を小走りで追いかけた。

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