「74話」 満ち足りる!
ボクは、微睡む意識の中で、誰かが……大声で叫んでいるのを、耳にした……
「父さん!そいつを……ぶった切って!!」
☆
俺が、力のある限り叫んだ瞬間、父の動きは敏速だった。
まるで、光のようなはやさで父が動く。
父は、腰を低く落とし、その真剣の柄を持ち直すと……
一瞬で駆け抜いた!!
5mはあっただろう、父とリベリヲンの間合いが一瞬にして詰められる。
灰埃が待って目に痛い……が、俺にはどうしても目を開けていなくてはならない様な気がした。
灰が顔を打つ感覚が意識の外枠で感じられる。
いまや、俺の背に隠れるオリーブまでも、遠くに感じる程……
俺の意識だけが父とリベリヲンを追って、グングン近づいて行った。
ーー
一瞬に詰められた間合いに対してもリベリヲンは一片として表情を変えなかった。
ただ、突如懐に現れた父の大きな背中を生気の無い瞳でただ漠然と見つめているだけだった。
父の鋭く輝く劔が一閃……
横薙ぎに振られる!
リベリヲンが腰から上と下に別れた!
俺がそう、喜びを感じた瞬間だった。
「ッハ……! グハ!」
父が、片膝を着いた。
まるで、時が止まった様に、だれもなにも言わない。
神を、ごまかすことはできないのか……!
「『動くな……』」
たった……たったコレだけのこと、それだけで、大陸の5指にはいる父の動きは封じられた。
なんでだ……?
こいつは、天使の力を行使した……
やはり、神にはなりきれていないのか?
しかし、天界の門は完全に開き切っているはずだ……
母……聖霊……
まさか……!
神化……シンカ……進化。
そして、母……!
謎は、霧散した。
☆
「父さん! 逃げて!」
俺は、片膝をついたままうずくまる父に向かって絶叫した。
いまのリベリヲンは母……不安定な魂と肉体を繋げるための安定剤を手にいるためならなんでもする悪魔だ。
このままでは父がどうされるかわかったものではない。
それに……おそらく、奴には人間ではてを触れることも叶わないだろうと思われる。
俺が思考を巡らせている間に父の非難は完了したようだ。
幸いにもその間、リベリヲンは動かなかった。
何か意味があるのかどうかは不明……としか言いようがない。
しかし、次の瞬間!
「ッ……!? 」
まったく、質量保存の法則を無視しているとしか思えない程の……
巨大な2対の翼が現れた!
「まさか……智天使!」
そう、何時の間にか他に生えていた14の翼は姿を消して、今はその堂々たる4の翼が彼の存在感をつよく引き出していた。
「楽園の守護者……」
俺は、そんなリベリヲン……いや、ケルブの圧倒的な力をみて絶望した。
これが……天界の門の真の力……天使の力を得るだけてはない……
ッ――!!
さらに、俺はその瞬間、全く気づきたくも無かった……しかし、気づかなくては成らない事実を思い知った。
「ぜ…全員――逃げろ!」
俺の叫びが終わったと同時に……
リベリヲンが、凄まじい輝きを放った。
作者「うゥん,終わらせ方なやぬな~……」
ニア「最初から決めておけよ!」




